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波積町南地区試掘調査情報(令和3年7月1日)
波積町南地区試掘調査情報(令和3年7月1日)
今回の調査は国時山からに西に派生する尾根群の谷地形の場所で行いました。周辺はたくさんの木などで
覆われています。
手掘り作業の様子
調査地は谷の場所に堆積した土を棚田状に人工的に整地したと思われる場所です。
一部の場所では石垣などがあり、そこは居住していた跡の場所と推定されます。また、現場から少し離れたところに長戸鈩跡というたたら遺跡があることから、たたらに関係する遺構や遺物が存在する可能性が考えられます。
また、調査地は山奥の狭い場所のため、調査の掘削をするためには重機を使わずに、スコップを使って行います。
表土とその下の層を見ながら慎重に掘り進めていきます。スタッフには掘る作業が早い人や丁寧・慎重に掘る人など、様々な適正を持った人がいるため、その場所の状況によってスタッフが入れ替わりながら作業を進めていきます。
住居跡
住居跡と思われる場所のトレンチの中央部には赤褐色の焼土がありました。おそらく囲炉裏の跡と思われます。
調査地は昭和初期ごろまで家屋が存在していたと、近隣に住んでいた方から証言があり、証言のとおり住居跡も確認されました。
また、この付近には江戸時代に遡る遺物やお墓などがあり、その時代からこの場所で生活が長らく続いてきたと考えることができます。
なお、中世以前の遺物・遺構や、たたらに関連する遺物等は出土しませんでした。
これまでの遺跡調査内容
遺跡「令和2年度半田浜遺跡」発掘調査情報(令和3年3月1日)