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遺跡発掘「シビックセンターゾーン試掘」調査情報(令和元6月1日)
「シビックセンターゾーン試掘」発掘調査情報(令和元年6月1日)
江津市江津町シビックセンターゾーンの江津市役所新庁舎建設予定地の試掘調査です。
この場所周辺は、かつて「日本製糸株式会社江津工場・新日本レイヨン株式会社江津工場」や戦時中には「大阪陸軍造兵廠石見製造所」があったところです。
現在は、地表面からは何も確認できないため、地面の中の遺構の存在を調べるために試掘調査を4か所行いました。
寄せられた情報
この調査の前に、戦時中の様子を知る人からいろいろな情報を聞くことができました。
このような情報は大変貴重であり、調査をする上でも大事な情報になってきます。情報を提供していただきありがとうございました。
大阪市在住女性から寄せられた情報
「江の川河口に軍事工場があり、将校さんに連れられて工場の見学をしました。江津の駅から松林を抜けると門番のいる門があり、その先には大広間のある建物や事務所や将校の住居がありました。事務所のまわりには防空壕がようけありましたよ。」
江津市在住男性から寄せられた情報
「私は陸軍造兵廠で働いていたが、まわりには防空壕があり、避難訓練で何度か中に入ったことがあります。」
地中から出てきた砂地
4か所の試掘箇所のうち、一番南側のJRの線路に近いところを地下3メートル掘ったところです。砂地が現れました。
また、東側の陸橋に近いところも、地下3メートル掘りましたが、ここも砂地でした。
地中から出てきた構造物
敷地の中央部分を地下3メートル掘ると、コンクリート製の構造物が出てきました。
さらに西側の警察署に近いところも地下3メートル掘ると、コンクリート製の構造物が出てきました。
発見される可能性のあった戦時中の遺物は発見されず、遺構も軍事工場跡と特定することはできませんでした。
地中のコンクリートの製の構造物は、江津市内で最も古いと思われるコンクリート製の建物が旧江津町役場(大正15年建設)のため、この年代以降の構築年代だと考えています。
試掘調査終了後、この場所は埋め戻しました。
これまでの遺跡調査内容