第2次江津市環境基本計画
基本的な考え方
計画の位置付け
本計画は「江津市生活環境の保全に関する条例」第17条に基づき策定したものであり、本市の環境行政の基本計画(マスタープラン)として環境に関する個別計画の上位に位置付けられます。
また、「第5次江津市総合振興計画」の環境に係る施策を総合的に担う計画として位置づけられます。
計画の期間
平成25年度から平成34年度までの10年間
計画の対象地域
江津市全域とします。
ただし、公共用水域や廃棄物処理など、市を越えた対応が必要なものや、地球温暖化対策やエネルギー対策など、広い視点が必要なものなどは広域的な対応を行います。
計画の対象範囲
- 水や大気、公害、廃棄物などの 生活環境
- 森林や農地、動植物などの 自然環境
- 景観や緑化、環境美化などの 快適環境
- 地球温暖化などの 地球環境
- 市民参加や環境学習などの 環境保全活動
めざす環境像と基本目標
めざす環境像
本市がめざす環境像は、第5次江津市総合計画のまちづくりの3本柱の理念を受け継ぎ、次のとおりとします。
「自然と調和した やすらぎのまち ごうつ」
基本目標
5つの目標のリンクを押すと、詳しい施策が表示されます。
- 生活環境 「人の生活環境を守り、安全・安心な暮らしができるまち」
- 自然環境 「自然を大切にし、自然とふれあることができるまち」
- 快適環境 「文化をはぐくみ、ふるさととして誇れるきれいなまち」
- 地球環境 「かけがえのない地球を、地域から次世代に引き継ぐまち」
- 環境保全活動 「市民・事業者・行政が、それぞれ主役となって協働するまち」
項目別施策
1.生活環境 「人の生活環境を守り、安全・安心な暮らしができるまち」
課題
大気・水質・騒音・悪臭等は環境基準を達成していますが、一部地域で悪臭や水質悪化の問題があります。
また、廃棄物は増加傾向にありごみの減量に努める必要があります。
主な取り組みの目標値
目標項目 水のきれいさに対する満足度
- 現状値 43.6%
- 目標値(平成34年) 60.0%
目標項目 においに対する満足度
- 現状値 60.3%
- 目標値(平成34年) 70.0%
目標項目 不法投棄・野焼きに対する満足度
- 現状値 44.4%
- 目標値(平成34年) 60.0%
目標項目 廃棄物排出量
- 現状値 7,568トン
- 目標値(平成34年) 6,850トン
主な取り組み
市民
- 草木や家庭ごみの野焼きはやめましょう。
- 近隣の住民の迷惑となるような騒音などの発生抑制に努めましょう。
- 悪臭の原因となる堆肥やペットのし尿などは適正に管理・処理しましょう。
- 3Rのうち、何よりも「リデュース(ごみを出さない)」を優先させましょう。
事業者
- 社用車の運転の際は、アイドリングストップや滑らかなアクセルワークなどエコドライブを心がけましょう。
- 騒音・振動の発生が予想される場合には、低騒音振動設備、防音・防振設備を導入しましょう。
- 事業所から出るごみの分別・減量化を徹底するとともに、リサイクルにより再資源化を推進しましょう。
市(行政)
- 公共下水道、農漁業集落排水、合併処理浄化槽などの生活排水処理施設の整備を推進します。
- 悪臭防止法第3条の規定に基づく測定・監視に努めます。
- 不法投棄や野外焼却について、廃棄物適正処理対策推進事業による重点監視地区を指定し、監視モニターによる不法投棄監視やパトロールを行います。
2.自然環境 「自然を大切にし、自然とふれあうことができるまち」
課題
生物多様性の観点から自然環境の保全が必要です。
また、植林や間伐、針広混交林の育成を通して森林保全を推進し、減農薬や有機栽培等環境に配慮した農業の推進を図る必要があります。
主な取り組みの目標値
目標項目 野生動植物の生息に対する満足度
- 現状値 63.0%
- 目標値(平成34年) 75.0%
目標項目 野山や田畑の豊富さに対する満足度
- 現状値 76.7%
- 目標値(平成34年) 85.0%
目標項目 学校給食での産直率
- 現状値 30.0%
- 目標値(平成34年) 50.0%
目標項目 産直品の売り上げ
- 現状値 74百万円
- 目標値(平成34年) 120百万円
主な取り組み
市民
- 地域の自然について理解を深め、自然を大切にしましょう。
- 地産地消の観点から、地場産品を積極的に利用しましょう。
- 田植えや稲刈りなどの農業体験に積極的に参加しましょう。
- 外来種の動植物やペットなどの生き物を安易に野外に捨てないようにしましょう。
事業者
- CSR(企業の社会的責任)活動として、森林保全活動に参加しましょう。
- 水路や圃場などの農村整備事業を行う際は、環境に配慮した整備を行いましょう。
- 地産地消を推進し、地場産品の6次産業化やブランド化を推進しましょう。
市(行政)
- 市内に生育・生息する動植物について、生物多様性を確保するという観点から、その生息環境を保全します。
- 道の駅「サンピコごうつ」の産直品の生産拡大と商品の充実、および本施設を拠点とした近隣の産直市とのネットワーク化を推進します。
- 学校給食への食材供給のための4品目(タマネギ・ニンジン・ジャガイモ・キャベツ)を中心にした生産者の確保と供給量の拡大を図ります。
3.快適環境 「文化をはぐくみ、ふるさととして誇れるきれいなまち」
課題
景観保全・景観形成について赤瓦の保全等実践的な取り組みを推進していく必要があります。
また、地域の美化活動を推進し地域の環境美化を推進していく必要があります。
主な取り組みの目標値
目標項目 まちなみ景観の美しさに対する満足度
- 現状値 22.7%
- 目標値(平成34年) 40.0%
目標項目 都市の緑化に対する満足度
- 現状値 40.7%
- 目標値(平成34年) 50.0%
目標項目 きれいに清掃された空間に対する満足度
- 現状値 42.9%
- 目標値(平成34年) 60.0%
主な取り組み
市民
- 住宅などの新・増・改築の際には、景観に配慮するようにしましょう。特に、赤瓦の保全に努めましょう。
- 所有する空き地については、除草などの管理を行いましょう。
- ポイ捨てや不法投棄は絶対にしないようにしましょう。
- 地域での清掃美化活動に参加するようにしましょう。
事業者
- 開発行為の際には景観に配慮するようにしましょう。
- 屋外広告物は色や大きさに配慮し、周辺の景観を阻害しないように心がけましょう。
- 空き地の緑化や工場緑化、壁面緑化や屋上緑化などにより事業所の緑化に努めましょう。
- 廃棄物の適正処理を遵守し、不法投棄は絶対にしないようにしましょう。
市(行政)
- 赤瓦の利用者に対し補助金を交付します。
- 毎年1回市民一斉清掃(江津地区)、クリーン桜江(桜江地区)を実施し、市民全員で地域の清掃活動を実施しています。
- 海岸漂着物の処理や発生防止について、関係自治体や国と連携して取り組みます。
- 地域の環境美化活動や海岸漂着物清掃等を行う団体を支援します。
4.地球環境 「かけがえのない地球を、地域から次世代に引き継ぐまち」
課題
地球温暖化対策の普及・啓発を推進し、省エネに関する意識改革が急務です。市民・事業者・市が、省エネや再生可能エネルギーの活用に取り組む必要があります。
主な取り組みの目標値
目標項目 江津市内の温室効果ガス排出量
- 現状値 123,365t-CO₂
- 目標値(平成34年) 111,028t-CO₂
目標項目 市の事務事業に伴う温室効果ガス排出量
- 現状値 737t-CO₂
- 目標値(平成34年) 663t-CO₂
目標項目 市の事務事業に伴う電気使用量
- 現状値 870MWh
- 目標値(平成34年) 783MWh
主な取り組み
市民
- 電気製品のこまめなスイッチ操作を行い、冷暖房温度設定は適温を守るようにしましょう。
- 家電製品を購入するときは、省エネラベルのついた製品を購入しましょう。
- 長時間使わない電気製品はコンセントからプラグを抜くようにしましょう。
事業者
- 電力監視装置により使用電力の「見える化」を図り、エネルギー使用実態を把握するとともに、その削減に努めましょう。
- デマンドを監視し、ピークカットやピークシフトに努めましょう。
- 太陽光発電、小型水力発電、地熱発電やバイオマスボイラーなどの導入を推進しましょう。
市(行政)
- 不必要な照明、昼休み時の不要な照明やOA機器は電源を切ります。
- 物品の購入にあたっては、グリーン購入を推進します。
- 再生可能エネルギーの導入誘致を推進します。
5.環境保全活動 「市民・事業者・行政が、それぞれ主役となって協働するまち」
課題
地域で活動する環境団体と事業者、行政のパートナーシップを構築していく必要性があります。
また、学校などでの環境学習を推進していく必要があります。
主な取り組みの目標値
目標項目 地域の清掃活動など環境美化活動へ参加している割合
- 現状値 78.2%
- 目標値(平成34年) 90.0%
目標項目 「学校版エコライフチャレンジしまね」の取り組み
- 現状値 10校
- 目標値(平成34年) 全12校
目標項目 小中学校の「緑のカーテン」実施校
- 現状値 4校
- 目標値(平成34年) 8校
主な取り組み
市民
- 地域で行われている環境保全活動や環境イベントに積極的に参加しましょう。
- 環境学習で得た知識を地域での環境保全活動に活かしましょう。
- 地域や学校での環境学習の機会を活用して環境学習に取り組み、環境に関する知識や意識の向上に努めましょう。
事業者
- 地域で行われている環境保全活動や環境イベントに積極的に参加しましょう。
- 活動団体に対し、人員や施設、技術や設備・機器の提供などの支援を行いましょう。
- 専門性を活かし、出前講座への講師派遣や、施設見学の受け入れを行うなど、事業者でなくてはできない取り組みを推進しましょう。
市(行政)
- エコライフカレンダー作成、温暖化防止標語募集、環境学習の出前講座、環境イベントを引き続き実施します。
- 環境教育推進事業の一環として、「学校版エコライフチャレンジしまね」を推進します。
- 学校の「総合的な学習の時間」などを活用した環境教育を推進します。
推進体制と進行管理
江津市環境審議会が中心的な役割を持ち、市民・事業者・市の各主体がそれぞれの役割を果たしつつ本計画を推進していきます。
江津市環境審議会は、計画の進みぐあいをまとめた年次報告書により計画の総合的な推進について点検・評価を行い、それに基づいて施策の見直しなどの提言を行います。
進行管理はPDCAサイクル(P:Plan計画、D:Do実行、C:Check評価、A:Action見直し)によって進めます。