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第3次江津市環境基本計画
第3次江津市環境基本計画が完成しました。
基本的な考え方
計画の位置付け
本計画は「江津市生活環境の保全に関する条例」第17条に基づき策定したものであり、本市の環境行政の基本計画(マスタープラン)として環境に関する個別計画の上位に位置付けられます。
また、「第5次江津市総合振興計画」の環境に係る施策を総合的に担う計画として位置づけられます。
計画の期間
令和5年度から令和14年度までの10年間
計画の対象地域
江津市全域とします。
ただし、公共用水域や廃棄物処理など、市を越えた対応が必要なものや、地球温暖化対策やエネルギー対策など、広い視点が必要なものなどは広域的な対応を行います。
計画の対象範囲
- 森林や農地、動植物などの 自然環境
- 水や大気、公害、廃棄物などの 生活環境
- 景観や緑化、環境美化などの 快適環境
- 地球温暖化などの 地球環境
- 市民参加や環境学習などの 環境保全活動
めざす環境像と基本目標
めざす環境像
本市がめざす環境像は、第6次江津市総合振興計画のまちづくりなどを受け継ぎ、次のとおりとします。
「江の川と日本海 美しい山の緑をとこしえに」
基本目標
- 自然環境「豊かな自然を守る」
- 生活環境「環境にやさしい暮らしをする」
- 快適環境「きれいできもちのよい環境を守る」
- 地球環境「かけがえのない地球を守る」
- 環境保全活動「環境について考え行動する」
項目別施策
1.自然環境 「豊かな自然を守る」
目標
江の川や日本海、緑の山々などの豊かな自然をそこに棲む多くの生き物とともに守り、人と自然が共生するまちをめざします
主な取り組みの目標値
目標項目 江の川アユの遡上数(浜原ダム魚道)
- 現状値 329千匹
- 目標値(令和14年) 400千匹
目標項目 間伐の実施面積(10年間延べ)
- 現状値 5.16ha
- 目標値(令和14年) 50ha
目標項目 有機農業実施面積
- 現状値 54ha
- 目標値(令和14年) 72ha
目標項目 学校給食での産直率
- 現状値 35.3%
- 目標値(令和14年) 40%
主な取り組み
市の施策
- 生物多様性を確保する観点から、動植物はもとよりその生育・生息基盤を保全します。
- オオキンケイギクなどの特定外来生物について、市ホームページや市広報によって市民に情報を発信し、その駆除について啓発を行います。
- 江の川の天然アユ資源回復のため、稚魚及び親魚の放流や産卵場の整備等について関係機関と協力して推進します。
- 江津市が発注する工事や事業等においては、地場産材利用を推進します。
- 減農薬・減化学肥料による水稲栽培の推進や、有機JAS認証取得面積の拡大を図ります。
- 農林水産物を活用して地域に新しい価値を創出することで6次産業に関わる人材の確保・育成を行い、6次産業化を推進します。
- 地域資源を活かした体験活動の推進を図ります。
- 近隣の住民の迷惑となるような騒音などの発生抑制に努めましょう。
- 悪臭の原因となる堆肥やペットのし尿などは適正に管理・処理しましょう。
- 3Rのうち、何よりも「リデュース(ごみを出さない)」を優先させましょう。
市民の取り組み
- 希少野生動物の捕獲・採取はしないようにしましょう。
- 外来種の動植物やペットなどの生きものを安易に野外に放したり捨てたりしないようにしましょう。
- オオキンケイギクなどの特定外来生物を見つけた場合は、速やかに適切な方法で駆除しましょう。
- 身近な環境について理解を深め、自然環境の保護や保全に努めましょう。
- 江の川等身近な河川の生き物の保全活動や河川の環境整備活動に参加しましょう。
- 間伐材を利用した製品を積極的に購入しましょう。
- 地産地消の観点から、「まる姫ポーク」「桜江ごぼう」「桑茶」などの江津ブランドをはじめ、地場産品を積極的に利用しましょう。
- 県立自然公園や都市公園などの自然とふれあえる施設・資源、海水浴場や江の川などの水資源等の市民が身近に自然とふれあえる場を積極的に活用しましょう。
事業者の取り組み
- 事業者が各工事を行う際は、野生動植物の生育・生息基盤の保全に配慮した土木資材や多自然型工法(近自然型工法)やビオトープ等の手法を採用するように努めましょう。
- 工事等にあたっては、地場産材を積極的に利用しましょう。
- 農業従事者は、減農薬や有機栽培などの環境保全型農業や、有機資源や農業用資材の再利用など循環型農業を推進しましょう。また、有機JASの認定を目指しましょう。
- 事業所のCSR活動やレクリエーション活動などの際は、市民が身近に自然とふれあえる場を積極的に活用しましょう。
2.生活環境 「環境にやさしい暮らしをする」
目標
川や海の水や空気がきれいでごみも少なく、環境への負荷が小さい循環型の持続可能なまちをめざします
主な取り組みの目標値
目標項目 市内河川水質の環境基準達成率
- 現状値 100%
- 目標値(令和14年) 100%
目標項目 汚水処理人口普及率(下水、農業集落排水、合併処理浄化槽)
- 現状値 55.1%
- 目標値(令和14年) 78.4%
目標項目 廃棄物排出量
- 現状値 7,376t
- 目標値(令和14年) 6,076t
目標項目 資源リサイクル率
- 現状値 19.6%
- 目標値(令和14年) 21.9%
主な取り組み
市の施策
- 大気汚染について、ばい煙、粉じん、野外焼却に監視、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法)及び悪臭防止法に基づく監視・指導を行います。
- 公用車にハイブリッド車や電気自動車盗の次世代自動車を順次導入します。
- 公共用水域の水質について、水質汚濁防止法に基づく監視・指導を行います
- 騒音・振動規制法に基づき、騒音・振動の発生源への監視・指導に努めます。公共下水道事業計画区域においては、公共下水道の整備を推進し、区域外においては、合併処理浄化槽の普及促進を図ります。
- 市民活動の支援、地域学習と学校教育の推進、広報等による情報発信、ごみ処理施設の見学受け入れ、啓発資料の貸し出し、環境イベントの開催、マイバック持参運動の推進、家庭ごみ・事業ごみ減量の推進などにより市民・事業者の意識向上を図ります。
- 江津市衛生組合協議会と連携を図り、地域住民に対してごみの出し方や環境美化等を協働して推進します。
- 不法投棄防止看板を配布するとともに、県と協働で不法投棄監視パトロールを行い、発見された場合は速やかに処理します。
市民の取り組み
- ごみの野外焼却や野焼きはやめましょう。
- 近隣の住民の迷惑となるような騒音の発生抑制に努めましょう。
- 3Rのうち、何よりも「リデュース」(ごみを出さない)に優先して取り組み、ごみ減量に努めましょう。
- ごみを出す際は分別を徹底し、決められた日に、決められた場所に出すようにしましょう。また、資源ごみはリサイクルステーションを活用しましょう。
- 買い物の際はリサイクル商品や詰め替え商品など環境に配慮した製品を選び、不要な物は買わないようにしましょう。また、マイバックを使うようにしましょう。
事業者の取り組み
- 大気汚染防止法、水質汚濁防止法、騒音・振動規制法、悪臭防止法や県公害条例などの法令を遵守しましょう。
- 農業従事者は、農薬や肥料の適量使用と流出防止に努めましょう。
- 畜産事業者は、畜産に起因する悪臭の防止するために必要な措置を講じましょう。
- 公共下水道及び農業集落排水の整備済み区域では、公共下水道及び農業集落排水への接続を図りましょう。
- 事業者は産業廃棄物の発生を抑制し、排出する際はマニフェストを発行し、適正な処理に努めましょう。
- 農業従事者は農業用廃プラスチック等、畜産従事者は家畜排せつ物等の適正処理に努めましょう。
- プラスチック廃棄物の排出事業者や小売・サービス事業者などの使い捨てプラスチックの提供事業者は、国の定める判断基準に従い、排出抑制とリサイクルに取り組みましょう。
- 産業廃棄物の適正な処理を行いましょう。
3.快適環境 「きれいできもちのよい環境を守る」
目標
まちの緑化や環境美化に努め、歴史と文化に育まれた赤瓦の景観を守り、快適でうるおいのあるまちをめざします。
主な取り組みの目標値
目標項目 空き家の有効利用(10年間延べ)
- 現状値 17件
- 目標値(令和14年) 100件
目標項目 市民のボランティア清掃申請者数
- 現状値 1,546人
- 目標値(令和14年) 2,000人
主な取り組み
市の施策
- 江津市都市公園施設長寿命化計画に基づき、計画的かつ適切な整備と維持管理を図ります。特に、江津中央公園及び菰沢公園の長寿命化対策を促進します。
- 総合公園や運動公園などの広域的な公園については、国民スポーツ大会島根県開催(2030年)を踏まえた施設の充実を図ります。
- 近隣公園や街区公園などの身近な公園については、遊具等公園施設の計画的な更新を進めるとともに、地域の実情に応じた維持管理を進めます。また、居住拠点地区において街区公園や子育て支援施設等の少ない地区については、優先的に小公園整備に努めます。
- 地域ぐるみの緑化活動を誘導・支援し、地域での緑化に関する自主的なルールづくりを促進します。そのため、計画的に整備する住宅団地などにおいては、緑地協定等の既存制度の活用等を検討します。
- 江津駅及び駅前広場の江津駅前地区の景観整備を推進します。
- 景観重要建造物、景観重要樹木の指定を推進します。
- 道路沿道の緑について、市民による日常管理を促すため、市民と行政の協働による道路愛護作業や一斉清掃を推進します。
- 空家については、空家等の発生抑制、空家等の適切な管理の推進、空家等及びその跡地の活用の促進、管理不全な空家等の解消、空家等対策に関する実施体制の整備などの施策を進めます。
- 犬や猫の適切な飼い方の普及啓発を行います
市民の取組
- 樹木や草花の植栽、生垣やグリーンカーテンの設置により、住宅の緑化に努めましょう。
- 赤瓦の住宅・街並み絵画コンクールや景観フォトコンテスト、景観講演会やシンポジウムに積極的に参加しましょう。
- ごみのポイ捨てや不法投棄は絶対にしないようにしましょう。また、路上等でごみを見かけたら、回収するようにしましょう。
- 散歩時の犬のフンは必ず持ち帰りましょう。
- 犬や猫は適切に飼育し、野良猫への餌やりはやめましょう。
- 地域の清掃や除草、花壇整備などの環境美化活動に積極的に参加しましょう。
事業者の取組
- 市街地内や市街地に隣接して立地する工場地においては、隣接する商業・業務地や住環境に配慮し、緩衝緑地等による敷地周りの緑化の充実・指導を図るとともに、工場内の緑化による職場環境の改善を促進しましょう。
- 江津市景観計画で定められた景観形成基準をはじめ各種の指針や方針を遵守し、建築物・工作物の建築等や開発行為の際は必要な届出を行いましょう。
- 屋外広告物は色や大きさに配慮し、周辺の景観を阻害しないようにしましょう。
- 地域の清掃や除草、花壇整備などの環境美化活動に積極的に参加しましょう。
- 事業所周辺の河川、公園等の清掃や除草、花壇整備などの環境美化活動を行うアダプトプログラム積極的に取り組みましょう。
- 廃棄物の適正処理を遵守しましょう。
4.地球環境 「かけがえのない地球を守る」
目標
地球環境問題を「わがこと」としてとらえ、カーボンニュートラルに向けて一人ひとりが生活の中で実践していくまちをめざします。
主な取り組みの目標値
目標項目 江津市内の温室効果ガス排出量
- 現状値 189,000t-CO₂
- 目標値(令和14年) 134,000t-CO₂
目標項目 市の事務事業に伴う温室効果ガス排出量
- 現状値 3,767t-CO₂
- 目標値(令和14年) 2,649t-CO₂
目標項目 道路及び公園施設の照明に占めるLEDの割合
- 現状値 20%
- 目標値(令和14年) 75%
主な取り組み
市の施策
- 「江津市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」の進行管理により、市の事務事業によって排出される温室効果ガスの削減に取り組みます。
- 「江津市地球温暖化対策推進協議会」を通じて地球温暖化対策に係る市民の普及・啓発を図るとともに、市民の取組を支援します。
- 道路照明や学校施設、市庁舎等の公共施設へのLED照明の導入を推進します。
- 施設改修等により、公共施設などでの省エネルギーを推進します。
- 再生可能エネルギーの公共施設での導入を推進します。
- 再生可能エネルギーへの理解を深める啓発活動・情報提供を推進します。
- 市役所新庁舎整備における地中熱を利用した空調設備導入の効果のPRによる普及啓発を推進します。
市民の取組
- 地球温暖化対策のための国民運動「COOL CHOICE」に積極的に取り組みましょう。
- マイカー通勤の自粛、自転車や公共交通機関の利用に取り組みましょう。
- アイドリングストップなどのエコドライブを推進しましょう。
- 緑のカーテンに取り組みましょう。
- 太陽光や太陽熱等の再生可能エネルギーの導入を促進しましょう。
事業者の取組
- 地球温暖化対策のための国民運動「COOL CHOICE」に積極的に取り組みましょう
- ノーマイカーデーの実施、マイカー通勤の自粛、自転車や公共交通機関の利用に取り組みましょう。
- アイドリングストップなどのエコドライブを推進しましょう。
- 家電・商品の購入においては省エネ家電・省エネ商品、社用車の購入においてはハイブリッド車や電気自動車等の次世代自動車の導入を促進しましょう。
- 環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」や「エコアクション21」の認証取得を検討しましょう。
- 太陽光や太陽熱等の再生可能エネルギーの導入を促進しましょう。
- 重油等の化石燃料を使用するボイラーの再生可能エネルギーへの転換を推進しましょう。
- グリーン電力認証を受けた再生可能エネルギーによる電力を利用しましょう。
5.環境保全活動 「環境について考え行動する」
目標
市民・事業者・市がそれぞれ意識啓発を図り、連携して主体的に環境に配慮した実践活動に取り組むまちをめざします。
主な取り組みの目標値
目標項目 小中学校の「緑のカーテン」実施校
- 現状値 8校
- 目標値(令和14年) 11校
目標項目 小中学校での環境学習の実施(地域・企業連携)
- 現状値 0校
- 目標値(令和14年) 7校
主な取り組み
市の施策
- 市民に対して様々な情報を提供し、加えて市民グループ等との連携を図るなど、市民の自主的な環境保全活動を支援します。
- 地域コミュニティによる地域で支え合う仕組みづくりを促進し、地域特性を活かした地域コミュニティ活動への支援を行います。
- ボランティアへの支援、ボランティア組織の充実など、市民活動への支援を行います。
- エコライフカレンダーの作成、環境の出前講座及び環境イベントを引き続き実施します。
- 8月を「江津市省エネ月間」とし、省エネの取り組みを市ホームページ・広報等で呼びかけを行います。
- 地域の自治会や地域コミュニティによる環境学習への住民参加を促進し、子どもたちによる実践活動と連携した活動を推進します。
- 学校においては、児童、生徒の環境意識の醸成に努めます。
- 児童、生徒の意識を高めるため、「こどもエコクラブ」への参加や児童会・生徒会などの自主的活動を促進します。
- 地域や学校での環境学習の教材や出前講座での啓発資料の貸し出しを行います。
- 地域や企業と連携した環境学習を地域や学校等で推進します。
市民の取組
- 地域コミュニティや江津市地球温暖化対策推進協議会が地域で行っている環境保全活動や環境イベントに積極的に参加しましょう。
- 地域や学校での機会を活用して環境学習に取り組み、環境に関する知識や意識の向上に努めましょう。
- 環境学習で得た知識を地域での環境保全活動に生かしましょう。
事業者の取組
- 活動を行っている市民や団体とのパートナーシップやネットワークを構築し、互いに情報交換・情報発信して連携して活動しましょう。
- 活動団体に対し、人員や施設、技術や設備・機器の提供等の支援を行いましょう。
- 地域での環境保全活動の取組について、ホームページ等を通じて積極的に情報発信しましょう。
- 専門性を活かし、出前授業への講師派遣や施設見学の受け入れを行うなど、事業者でなくてはできない取組を推進しましょう。
- 社員の環境学習等を積極的に推進しましょう。
推進体制と進行管理
江津市環境審議会が中心的な役割を持ち、市民・事業者・市の各主体がそれぞれの役割を果たしつつ本計画を推進していきます。
江津市環境審議会は、計画の進みぐあいをまとめた年次報告書により計画の総合的な推進について点検・評価を行い、それに基づいて施策の見直しなどの提言を行います。
進行管理はPDCAサイクル(P:Plan計画、D:Do実行、C:Check評価、A:Action見直し)によって進めます。
実行計画ダウンロード
第3次江津市環境基本計画 概要版 [PDFファイル:1.05MB]
第3次江津市環境基本計画 全体版 [PDFファイル:12.5MB]
第3次江津市環境基本計画年次評価レポート
第3次江津市環境基本計画について、毎年計画に掲げた目標の達成状況等を点検・評価していきます。