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令和7年2月28日施政方針

掲載日:2025年2月28日更新
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令和7年2月28日施政方針

​令和7年第1回江津市議会定例会の開会にあたり、当面の市政運営に対する私の基本的な考え方を申し上げます。

 

第3期江津市版総合戦略について

まず、第3期江津市版総合戦略について申し述べます。

令和2年度に運用を開始した第2期江津市版総合戦略は、本年度をもって5年間の計画期間の満了を迎えます。

本戦略は「GO▶GOTSU 山陰の「創造力特区」へ」のスローガンのもと、「挑戦する人を応援する風土」をテーマとし、本市の人口減少に特化した対策を定めたものです。

各分野において、人口減少を念頭においた事業等を実施し、施策評価指標はおおむね達成することができました。

しかしながら、ご承知のとおり、第2期の総合戦略を定めた当初と比較して、本市だけでなく、日本全体の人口減少は更に加速している状況となっています。

このため、現状に対して更に効果的な取組みを推進するため、令和7年度を始期とする第3期江津市版総合戦略の策定を進めているところです。

次期総合戦略の策定にあたり、人口減少対策の前提条件となる本市の人口ビジョンの見直しを行ったところです。この結果、2050年時点の人口として、今後の政策的な介入によって期待される推計値は約1万5千人、このままの取組みを続けた場合は約1万3千人となっています。

将来の目標人口の達成には、その目標を達成した場合の理想の状態を描き出し、その理想を実現するための指標を設定することが必要です。そして、それらの指標を実現するための方針や施策を明文化したものが第3期江津市版総合戦略となります。

第2期江津市版総合戦略と比較して、第3期においては、目標人口を達成する目的の明確化、各種基本目標における重点的対象と施策との因果関係の推測、成果の達成を見据えたバックキャスティング志向による施策の検討など、より具体的で効果的な内容を目指し、策定を進めています。

特に、人口ビジョンを踏まえた2050年を目途とする中長期的展望として、子どもたちの未来のために目指すべき本市の将来像を示し、施策立案の中心的な考え方としています。

この考え方に基づき、第2期の総合戦略と同様に4つの基本目標を定めます。

基本目標1は、多様な生業と魅力ある雇用があるまち、基本目標2は、住みたい!自分を活かせる場所があるまち、基本目標3は、子供たちの未来を地域みんなで育むまち、基本目標4は、住み慣れた地域で安心して暮らせるまち、とします。また、この4つの基本目標の共通の指針として創造力特区の実現、を定めたいと考えています。

現在、第3期江津市版総合戦略の内容について、各担当課や外部有識者の指摘や意見を反映しながら、最終的な調整を行っており、年度内の完成を予定しています。

令和7年度からは、市行政全体で総合戦略の目標に向かって着実に施策を遂行し、本市の最大の課題である人口減少への対策により一層取り組んでまいりたいと考えています。

 

これらを念頭におきつつ、令和7年度は次の事業に着手していきます。

 

教育環境の充実について

はじめに、教育環境の充実についてです。

現在、西部統合小学校校舎等の基本設計業務が完了し、実施設計業務の発注準備を進めています。

令和7年度は、夏ごろから新設市道や造成工事に入る予定とし、新しい学校の姿が目に見える形で工事が進められることになります。

このたびの小学校建設には多額の事業費を見込んでおりますが、できる限り効果的で効率的な事業の推進に努め、目標とする令和 11 年度末に完成できるよう、引き続き取り組んでまいります。

 

交通空白地域の解消について

次に公共交通施策についてです。

現在、東部地区で実証実験を実施しているAIデマンド交通について、本市の交通空白地域の解消と既存公共交通体系の利便性向上を実現するため、来年度より本格運行を実施したいと考えています。
今後、実証実験の結果をもとに、運行体制を構築し、関係者の皆さまとの合意形成や必要な手続きを進めたいと考えています。

 

産業人材の確保について

次に、産業人材の確保についてです。

人口減少に加え、新卒者が市外あるいは県外に流出する傾向が依然として続いているため、様々な業種において従業員の確保が困難になっています。

昨今、新卒者が職業選択する際に福利厚生の充実を重視する傾向が強まっており、特に住居費は新卒者にとっての負担が大きいものと考えます。

このため、本市では「新卒者等就職促進家賃補助金」を交付し、市内企業の福利厚生を補うことにより、新卒人材の確保を支援することとしました。

これにより、従来から取り組んでいる、産業人材確保対策と併せて、新卒者の地元就職に向けた取組みを強化してまいります。

 

菰沢公園整備について

次に、菰沢公園整備についてです。

市東部の菰沢公園では、平成9年度に大型複合遊具を整備しました。ただし、老朽化に伴う遊具のリニューアルを必要とするため、平成29年度に大型複合遊具改修の基本計画を策定したところです。

基本計画では、敷地の平坦部と傾斜部、2つのエリアに分けて遊具を改修することとなっています。第1期工事として、平成30年度に平坦部を整備しておりますので、残る傾斜部の整備に向け、今年度の実施設計に続き、令和7年度には、第2期整備工事として大型複合遊具のリニューアルを行います。

山陰道開通を見据え、市民の皆さんはもちろんのこと、県内外からも多くの利用者に訪れていただける総合公園としての機能を高めてまいります。

 

農業振興について

次に農業振興についてです。

2月5日に、埼玉県の中森農産株式会社と「中山間地農業の収益力向上に関して連携協定」を締結しました。

同社は埼玉県を中心に水稲、麦、大豆など、穀物生産の拡大や有機農業に取り組まれています。また、「日本の食料安全保障の確立」を理念とされ、本市のような中山間地農業の課題解決に向け、日々活躍されています。

本市は令和3年から島根県と一緒に、中森農産との連携・招致を働きかけてきたところです。

このたび、総務省の地域活性化起業人制度を活用し、同社の執行役員1名を最長3年間、本市に派遣いただくことになりました。

本市としましては、同社と有機農業の拡大や担い手等の連携を通じた地域計画の実行に向けて、連携して取り組んでまいります。

 

有福温泉整備について

次に、観光産業振興についてです。

有福温泉地区では、歴史や文化を活かした、ゆとりとうるおいのある、魅力的で良好な住環境の整備と、地区の特性を活かした街並み景観の向上を目的とし、令和6年9月に有福温泉地区街なみ環境整備事業計画を策定しました。

令和7年度は、事業計画に基づき、温泉街中心部の小公園・公衆トイレおよび多目的集会所の整備に向けた測量設計などに着手してまいります。

今後も景観上重要となる公共施設の整備や、これにあわせた道路の美装化・小公園の整備を行うなど、統一のとれた街なみの形成を推進してまいります。

 

観光資源の石見神楽振興について

次に、観光資源である石見神楽についてです。

本市では、古くから行われてきた六調子神楽と、明治期以降に発展した八調子神楽が伝承され、伝統芸能として貴重な文化的価値を有するとともに、本市の観光誘客や認知度向上に貢献する重要な資源となっています。

一方で、団体によっては、担い手不足や物価高騰などによって活動の継続に不安を感じておられる状況も伺っています。

そのため、このたび「神楽団体支援事業補助金」を創設し、神楽団体の活動維持や、神楽の保存、伝承及び活性化を図り、本市の神楽を後世に繋いでいくとともに、観光資源としての石見神楽の魅力向上に向けた取組みを推進してまいります。

 

地域コミュニティ交流センター職員体制の充実について

次に地域コミュニティ交流センター職員体制の充実についてです。

地域コミュニティ交流センターの職員配置について、これまで職員の職務を交流センターの管理のみとしていましたが、地域マネージャーの勤務日数などを見直すことにより、「地域の状況把握をし、その結果を市職員と情報共有する」という職務を追加しました。このことにより、これまで以上に地域コミュニティ組織と行政との協働が進むものと考えています。

 

小学生から18歳までの医療費無償化について

次に、子育て世帯の負担軽減についてです。

子育て世帯への支援をより一層充実させるため、子ども医療費助成制度を大きく拡充することとし、令和7年4月から、0歳から18歳までの全ての医療費無償化が開始となります。

これにより、江津市で更に安心して出産、子育てができる環境を整えることができるものと考えています。

 

続いて、令和7年度のその他の重要施策について述べさせていただきます。

 

スマートシティ江津推進構想について

はじめに行財政改革一環のDX推進についてです。

令和4年度から、「スマートシティ江津推進構想」に基づき、様々な取組みを行っております。このうち「書かない窓口」の取組みについては、一昨年12月に、総務省の「令和5年度自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト」に全国13自治体のひとつとして採択され、令和6年度において事業を進めてまいりました。

本事業では、そのフロントヤード改革をさらにブラッシュアップするべく、オンライン申請や窓口申請といった申請情報の一元管理と審査業務を自動化する仕組みの構築を行います。加えて、各種申請手続きの方法や制度の内容をいつでも視聴し確認することができる動画コンテンツの制作も進めます。

本市の行財政改革として取り組むDXについては、デジタルツール等を有効に活用して「住民の利便性向上」を図るとともに、「職員の業務効率化による業務改善」を目指し、今後も適時適切な取組みを進めてまいります。

 

地域医療支援対策事業について

次に、地域医療支援対策事業についてです。

本市では、地域医療拠点病院であります「済生会江津総合病院」と「西部島根医療福祉センター」が行う医療提供体制の安定化や人材確保の取り組みなどに対し、財政面を中心に支援を行っているところです。

令和7年度は地域医療の維持、確保を図るために、各種の事業等の推進を継続して支援することとしています。

 

物価高騰対策について

次に、物価高騰対策についてです。

長引く物価高騰による事業活動への影響を緩和するため、キャッシュレス決済におけるポイント還元事業を実施します。これは、市内での消費を喚起し、地域商業の持続化と地域経済の活性化を目的とするものです。

併せて畜産農家に対する飼料高騰分の支援や、障がい者や高齢者施設及び保育施設への支援金の支給についても実施してまいります。

 

防災集団移転促進事業について

次に、防災集団移転促進事業についてです。

現在、松川町長良地区においては、移転元地の土地建物補償と、集団移転先地の嘉戸団地での造成工事や給水工事を行っています。

令和7年度は、引き続き移転元地の土地建物補償、嘉戸団地の関連事業として造成地内での(仮称)公的住宅嘉戸団地新築工事に着手してまいります。

また、川平町田野地区につきましては、土地建物調査および事業計画の策定を進めてまいります。

今後も、両地区における早期の移転完了を目指し、引き続き地域住民の方々をはじめ、国土交通省および島根県と連携を図りながら、本事業を推進してまいります。

 

国スポ推進課の新設について

次に、国スポ推進課の新設についてです。

2030年、島根県内で開催される予定の「第84回国民スポーツ大会・第29回全国障害者スポーツ大会」、通称「島根かみあり国スポ・全スポ2030」において、本市は「ラグビー」と「水球」の開催地に選定されています。

そのため、開催に向けた着実な準備や円滑な運営を目指し、国スポに特化した課を設置するものです。

 

当初予算について

最後に令和7年度当初予算についてです。

一般会計の予算議案につきましては、最重要課題である人口減少対策を推進するため、大きく二つの点から予算計上しております。

一つ目は、これまでも行ってまいりましたが、人口を増やすための対策です。

二つ目は、人口減少に備えるものです。

この2つの重点事項に併せ、本市の独自課題である、地域医療対策、江の川流域治水、地域公共交通、西部統合小学校、そして、老朽化した施設の更新などに必要な経費も計上しています。

課題は山積ですが、安定的な財政運営を計画的に実施していくことを重視した結果、一般会計の合計額は187億5,100万円となり、前年比1.5%のプラス、2億7,700万円のやや増額となりました。

予算の性質的には、令和6年度に計上したライスセンターの施設更新とエコクリーンセンターの基幹改良工事負担金がピークを越えたことにより、普通建設事業費は10.7%の減、補助費等も6.8%の減となりましたが、物価高騰に伴う光熱水費等といった義務的経費が2.2%上昇し、その結果、前年に比べ予算額が前年比1.5%のプラスで過去最大の額となっています。

これらを賄うため、令和7年度については、昨年度より約9,000万円多い14億7,000万円余りの基金の取り崩しを行っています。ゆとりある財政運営とは決して言えませんが、将来負担も留意しつつ、健全な財政運営に努め、住民サービスのさらなる向上を図ってまいります。

また、特別会計3会計及び水道、下水道の地方公営企業2会計についても、所用の額を計上しています。

 

終わりに

以上、令和7年度における主な施策や課題について述べさせていただきました。

私は、「江津のひとをもっと笑顔に」「江津のまちをもっと豊かに」「江津のしごとをもっと魅力的に」という3つの公約を達成し、「小さくとも“一層” キラリと光るまち ごうつ」を実現させるため、引き続き全力を挙げて取り組んでまいります。

どうか力強いご理解、ご協力をいただきますようお願いいたしまして、施政方針とさせていただきます。

 

備考

アクセシビリティ向上のため、原文の表現を一部変更して掲載しています。