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江津の祭り 江津町「ホーランエー」調査報告
9年ぶりに川神事「ホーランエー(ホーランエンヤ)」が行われました。
7月20日、江津市の中央を流れる大河「江の川」において、山辺神社の川神事「ホーランエー(ホーランエンヤ)」が行われました。
久しぶりのお祭りを祝福するかのような青空と、反射する青い水面は美しい情景でしたが、とにかく暑い!気温は33℃。
地域の方、誰一人も病人がでないことを祈りながらの一日でした。
ホーランエーの概要
ホーランエーは1713年(正徳3年)以降に始まったと言われています。
海と川に恵まれ、水運で栄えた江津町では、航海安全、家業繁盛、天下泰平を祈願し、このホーランエーが続けられています。
近年では4年ごとに開催していましたが、コロナ禍での中止などがあり、今年は9年ぶりの開催となりました。
神輿が乗った「御座船」と、3隻の曳航船「祇園丸」、そしてその周りを漁船が連なります。
漁船の数は今年は10隻でしたが、祇園丸は昔も今も3隻です。どの船も華やかに飾られています。
祇園丸の船主には「奴(やっこ)ふり」が1人、船尾には「櫂(かい)ふり」が1人、その他太鼓や鐘を鳴らしながら、舟子14人が大きな掛声を響かせて船を漕ぎます。
その掛声「ホーランエー」「ホーランエンヤ」が、そのまま行事の呼称になっています。
昔は、謡いも奉納されていたようですが、うたえる人もいなくなり掛声だけになってしまいました。
昔のホーランエーの様子
年代ははっきりと分かりませんが、まだ上江川橋も無く、護岸工事もしていない頃です。
そして、この人出!!賑やかそうですが、舟子さん達の掛け声も聞こえるのでしょうか。
ホーランエーの後
約1時間の川神事を終え、河口付近にある浜の宮にみたてた祭殿に神輿は納まりました。
その後、浜の宮での神事があり、そしていよいよ神輿会の町内巡幸です。約20人の会員が神輿を担ぎます。
ねじりハチマキに白い地下足袋の姿。熱々のアスファルトを心配して声をかけると、「どんなに(足裏が)熱くてもこれが正装だから」と笑顔でお返事が。
町内では、太鼓の音が近づくと住民の方は続々と家から出て、沿道で待ってくれています。
賑やかな巡幸となりました。
次回のホーランエーは?
はっきりとは決まっていないようです。
4年後かな?とのことです。
若い人が少なくなった江津町ですが、今回多くの若い人達が祭りに参加され、大変賑やかに和やかに執り行われました。
江津市内でも、住民が少なくなり、開催が難しくなって止めている祭りが多くあります。
続けていく、残していくことは本当に大変なことですが、昔々の時代から繋がってきた祭りを次の世代に繋げていけることを、願ってやみません。