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大元神楽伝承館
大元神楽伝承館
国指定重要無形民俗文化財「大元神楽」を紹介する施設です。
大元神楽伝承館は市山地域コミュニティ交流センター内にあります。
大元神楽
大元神楽は、古くは大元舞(おおもとまい)と称して、村々における集落の神(一種の農耕神的なもの)として祀られている大元様を勧請(かんじょう)し、数年に一度の式年祭に行われるものです。神がかり託宣の古儀が伝承されている神楽で、昭和五十四年二月には国の重要指定無形民俗文化財に指定されてた。
大元神楽は、六調子でゆったりとした古風なもので、近年衣装、演出等に八調子風の影響はあるものの、基本として古型を残しています。
娯楽的要素の強い面をつける能や多少の彩物舞以外は、神職により確実に伝承されている芸術史上貴重なものです。主な神楽として、清湯立(きよゆだて)、荒神祭(こうじんまつり)、山勧請(やまかんじょう)、奉幣(ほうへい)、天蓋引(てんがいびき)、綱貫(つなぬき)、六所舞(ろくしょまい)、御綱祭(みつなまつり)等があります。
施設のご案内
天蓋・舞殿
大元神楽の舞台となる舞殿は八畳の広さで、神事、神楽舞もこの八畳の中で行われます。周囲の長押しの切り飾りは、それぞれ四季を表しています。舞殿は東の元山、西の端山にそれぞれ俵(山の俵)を配して、地域の様々な神々を勧請します。
天蓋には9つの小天蓋が吊ってあり、このうちの四隅の小天蓋は東西南北を表しており、その中央には六角の小天蓋が吊ってあります。東西南北の小天蓋には、東は木を表す句々奴智命、南は火を表す迦具土命、西は金属を表す金山彦命、北は水を表す水波乃売命、中央は土を表す埴安比売命を勧請します。これは陰陽五行の思想が元になっており、神楽演目の「五龍王」もこの五色が中心になっています。
天蓋行事のときにはこの小天蓋が上下左右に振れ、まさに神遊び風情を呈します。
祭段
中央の祭壇には、託宣とよばれる大元神の象徴の藁蛇を中心に据え、供え物は五穀を初め衣食住に欠かせない物を中心に三十品目を超える品々が供えられます。
展示台
近年発見された桜江町大貫の中村家の「大元神楽役指帳」を始め、大元神楽を知るうえで貴重な古い資料を展示しています。
御神木
大元神は神木に祀られている場合が多くあります。現在では神社境内に移されたり、合祀されたりしてきましたが、大きい社が建立されて、そこに勧請された神々よりも、ずっと以前から土地の人々が「大元さん」と呼んで護ってきました。
綱貫模型
このケースの中には、大元神楽の中心行事である「綱貫」の様子が再現してあります。託舞とも呼ばれ神職たちが託綱を持ち、神歌とともに元山、端山、神前など五方を回ります。初めはゆっくりと、最後には激しく回り、この最中に神がかりになることもありました。
デッキスペース
デッキスペースは神楽の練習や交流の場として多目的に利用することができます。現在、デッキスペースには鐘馗の様子を再現しており、衣装を近くで見ることもできます。また、神楽の様子のパネル展示も行っています。
展示物
大元神楽御幣類
一束幣
剣舞幣
奉幣
御先幣
湯掻幣
荒神幣
神楽幣
茅輪(鍾馗)
鞨鼓ぶち(切り目)
弓、矢
鉾
鬼棒
神楽面
江津市桜江町内の神楽社中が所蔵する神楽面の中には、江戸末期、明治初期の作である木彫り面、和紙面が数多く残されています。
展示の神楽面は神楽の奉納などに使用されている神楽面を、神楽面社中の協力を得て複製し展示しています。
須佐之男命(鍾馗) 長戸路神楽社中
天照大神(磐戸) 市山神友会
児屋根命(磐戸) 市山神友会
手力男命(磐戸) 川戸神楽社中
天鈿女命(磐戸) 八戸神楽社中
太玉命(磐戸) 市山神友会
神祢宜(鞨鼓切目) 川戸神楽社中
切目王子(鞨鼓切目) 市山神友会
鬼女(貴船) 市山神友会
藁人形(貴船)
般若(弓八幡) 八戸神楽社中
般若(塵輪) 八戸神楽社中
鵺(頼政) 長谷神楽社中
恵比須(恵比須) 市山神友会
坂田金時(大江山) 山中神楽社中
酒呑童子(大江山) 八戸神楽社中
悪狐(狐退治) 川戸神楽社中
利用案内
大元神楽伝承館は市山コミュニティ交流センターの施設内にあります。
利用の際は市山コミュニティ交流センターの事務室で受け付けの手続きを行ってから入館してください。
開館時間
午前9時~午後4時
休館日
- 毎週土曜日、日曜日
- 祝日
- 年末年始
※休館日に入館希望の方はお問い合わせください。
入館料
無料
問い合わせ
0855-92-1508