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平成30年6月14日 施政方針

掲載日:2018年6月15日更新
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平成30年6月14日 施政方針

 

平成30年第2回江津市議会定例会の開会にあたり、諸議案の説明に先立ち、市政運営の基本的な考え方を申し述べます

  1.人口減少対策について

今まさに焦眉の急である人口減少対策についてです。

本市では、平成27年度に「江津市版総合戦略」を策定し、様々な人口減少対策に取り組んでいます。

今後も引き続き、総合戦略に掲げた施策を中心に、積極的な対策を推進してまいります。

また、その推進にあたっては

第1に、生業を増やし安定した雇用をつくること。

第2に、住みたい!住み続けられる。住んで良かったと思えるまちづくりを進めること。

第3に、子どもたちの未来を地域みんなで育むこと。

第4に、自助・共助・公助による安心・安全な暮しを実現すること。

これら4つの基本方針に基づき、人口減少対策に取り組みます。

具体的には、これまでにも増して企業誘致に努めるとともに、市内企業の体質強化や農業の6次産業化ならびに有機農業の推進など、多様で魅力ある雇用の場の創出に努めてまいります。

加えて、農林水産物直売所を拠点とした地産地消の推進や中山間地域農業の活性化につながる諸施策についても、これまで以上に積極的に取り組んでまいります。

林業においては、境界不明森林の解消や林業専用道等の基盤整備を推進し、林業の成長産業化を図ることで、雇用の確保と地域経済の活性化に努めます。

併せて、新たな担い手の確保と農地、森林や水産資源の適正な保全管理を図りながら、農林水産業と農山漁村を、守り育てる施策を一体的に講じてまいります。

観光の振興については、石見神楽、温泉、万葉など既存の観光資源の活用はもとより、本市固有の魅力ある観光資源の開拓に努め、観光・交流人口の拡大を図ってまいります。

また、長年本市の観光の中心となっていた有福温泉や風の国を取り巻く環境は、まことに厳しいものがあります。

このため、これらの再生やそのあり方についても、今後意を注いでまいります。

一方で、本市の生産年齢人口(15歳から64歳までの年齢層)は、2040年までに3,500人から4,000人程度減少するとの推計が示すとおり、雇用の創出とともに、労働力人口、いわゆる産業人材の確保という課題が顕在化しています。

このため、定住を支えるための雇用の促進については、総合支援窓口である「ワークステーション江津」を中心に、若者はもとより、女性や中高年齢者の再雇用を促進するため、市内企業等からの雇用情報の収集、情報提供を積極的に行い、産業人材の確保に取り組んでまいります。

それと同時に、企業の魅力化や、ふるさと・キャリア教育の充実を図りながら、若者の地元就職やUIターンを、一層促進してまいります。

中でも、本市の「ふるさと・キャリア教育」は、子どものころからふるさとへの愛着や誇りを育むとともに、子どもたちが自ら学び、考え、行動して「生きる力」を身につけることを促し、将来の地域を支える人材の育成をめざしています。

この目的の達成のため、保育所、小・中・高校、地域、企業が連携し、「江津市ふるさと・キャリア教育」として事業を展開しています。

すでに、今年度は、島根県が行う教育の魅力化事業にも取り組み、県立高校での活動も含め、各種の取り組みの総合調整を行う統括プロデューサーを配置しています。

これにより、各団体間の縦・横の連携を強化し、「校種の壁」を越えた一体的・系統的な教育活動を展開し、教育の魅力化に、より一層努めます。

また、子育て支援については、近年、少子化や核家族化、共働き家庭の増加等に伴って、「仕事と子育ての両立」などについて悩みを抱える子育て家庭が増加しています。

このため、子育てへの不安感や負担感を解消し、子育ての楽しさや喜びを実感できる、また、子どもたちが健やかに生まれ育つ環境づくりを進めることが重要な課題となっています。

こうしたなか、「仕事と子育ての両立支援」につきましては、平成27年に策定した「江津市子ども・子育て支援事業計画」の基本理念である「地域みんなで育む こどもたちの未来 明るく心豊かに育て江津っ子」に基づいて、市内企業などとの密接な連携を図りながら、その推進に取り組んでいます。

そして、今後も、一層注力してまいります。

また、「食育」や「赤ちゃん訪問」、「赤ちゃん教室」などの子育て支援サービスをはじめ、「保育サービス」の充実による待機児童の解消など「安心して子育てできる環境づくり」に努めています。

今後も、子どもの育ちに着目した「赤ちゃん登校日」、子育てへの前向きな意識や気持ちを醸成する各種の講演会などの江津市独自のきめ細やかな子育て支援策により一層取り組み、子育て家庭への支援と次代を担う子どもたちの健やかな育ちに視点をあてた環境づくりを進めてまいります。

また、放課後児童クラブについても、平成28年4月から年齢要件を撤廃し、放課後の保育が必要とされる家庭の小学6年生まで受け入れています。

しかしながら、年々申し込み数が増えており、児童すべての受け入れが難しくなっている現状があります。

このため、できるだけ早期に保育スペースの確保と支援員の確保に努め、待機児童の解消を促進してまいります。

次に、地域コミュニティについてです。

少子・高齢化が進む中にあって、これまで保たれていた地域力の低下が心配されてきました。

このため、本市では住み慣れた地域で安心して暮らしていくための新しい地域自治の仕組み、いわゆる「地域コミュニティ組織」が平成29年度までに、すべての地域において立ち上げられています。

そして今、地域コミュニティ交流センターを活動拠点とし、支えあいの仕組みづくり、地域づくり、人づくりの3つの視点で、高齢者の引きこもり防止のためのサロンや、防犯・防災活動など、地域の課題に応じた多様な取り組みが展開されています。

今後は、地域コミュニティと行政とが協働して、子どもから高齢者までが、住み慣れた地域で安心して、活き活きと暮らせる仕組みづくりを進めてまいります。

ここまで、人口減少対策について縷々申し上げてきましたが、江津市版総合戦略に掲げた目標では、2040年までに合計特殊出生率を2.27まで段階的に引き上げ、人口の社会動態を毎年△(マイナス)80人から△(マイナス)30人以内に抑える施策を行うことで、2040年の人口を17,300人程度に維持することとしています。

この目標人口は、決して容易に達成できるものではないと認識していますが、この3年間、総合戦略に掲げた施策に地道に取り組んだ結果、平成27年度には130人もあった人口の社会減(転出超過)が、平成28年度は108人、平成29年度は101人となり、少しずつではありますが、抑制傾向になっています。

今後も、総合戦略に掲げた施策の効果を丁寧に検証しながら、より実効性のある施策を取捨選択し、人口減少の抑制と地域経済の維持・活性化を図ってまいります。 

  2.地域公共交通について

本年3月31日の運行をもって、JR三江線が廃止となり、昭和5年の開通から88年で、その歴史に幕を下ろしました。

4月1日からは、石見交通及び本市による代替バスの運行がスタートしました。

公共交通を守ることは、自らの生活を守ることにもつながります。

二度と、三江線廃止のような悲しい思いを味わうことのないよう、地域の実情や公共交通に対する住民ニーズを踏まえながら、地域ごとの交通体系のあり方を検討してまいります。

  3.地域医療について

市民が安心して暮らせる環境づくりの観点から、地域医療を提供する体制の維持、確保は最優先すべき重要な問題です。

なかでも、地域医療の中核をなす済生会江津総合病院は、救急医療や周産期医療だけではなく、本市の在宅医療・介護連携推進の拠点となる、市民にとってはなくてはならない医療機関と考えています。

現在の経営状況については、医師不足をはじめとする様々な原因が重なって、非常に厳しい状況が続いています。

このため、経営改善をはじめ、その在り方について、済生会江津総合病院、済生会本部、島根県、江津市が一体となって抜本的な対策を進めてまいります。

  4.教育について

本市の将来を担う子どもたちの心身ともに健やかな成長は、私たち大人に課せられた大きな責任であります。

本市の教育に寄せられる市民の皆さんからの期待は非常に大きく、財政状況を踏まえながら一つ一つお応えしていかなければならないと考えています。

変化が激しく容易に将来が予測できない現在社会で生きていかなければならない子どもたちには、「主体的に課題を見つけ、様々な他者と協働しながら、定まった答えのない課題にも粘り強く向っていく力」、いわゆる本物の「生きる力」を家庭・学校・地域が連携しながら身に付けてもらうことが重要です。

そのためには、社会環境が大きく変化するなかであっても、現在及び将来の子どもたちにとって、より豊かな教育環境を創ることが求められています。

まずは、家庭の経済的な問題、障がい、不登校など困難な状況に直面している子どもたち一人ひとりの状況に応じ、それぞれが持つ能力を最大限に伸ばす、きめ細かい教育を提供してまいります。

また、学校は、子どもたちが学び、生活する場でありますし、災害時には地域住民を受け入れ、避難場所として重要な役割を果たす防災の拠点でもあります。

このため引き続き学校施設の耐震化対策を行うとともに、老朽化した施設の長寿命化対策についても、計画的に行い、子どもたちをはじめ、そこに集う人たちの安全と安心を確保するよう努めます。

懸案の西部統合小学校の建設につきましては、市庁舎建設との調整を図りながら、その建設スケジュールを決定したいと考えています。

この間、危険を伴う施設については、その都度、修繕や改修を行い、良好な教育環境の整備に努めてまいります。

また、子どもたちに快適な教育環境を提供する観点から、普通教室へのエアコン設置についても、今後財政状況を踏まえながら検討してまいります。

次に、新庁舎の建設についてです。

このことについては、現在敷地造成並びに「基本設計」及び「実施設計」を行っています。

今後とも、議会はもとより、市民の皆さんのご意見をいただきながら、その着工に向け準備を進めてまいります。

  5.防災対策について

近年全国各地で様々な災害が発生し、またその形態も、これまで経験したことの無いものとなっています。

このため、市民の皆さまが、安全安心に暮らしていける環境づくり、とりわけ被害を最小限にとどめるためのソフト面の対策は、これからますます重要なものとなってまいります。

こうした中、本市では、平成25年8月の豪雨災害以降、市民の皆さんの防災意識が高まっており、各地区において、自主的な避難訓練や防災学習会が精力的に開催されております。

今後は、関係機関、関係者の皆さんと連携を密にしながら、「自主防災組織の育成・支援」「防災情報の伝達手段の拡充」などについて、一層積極的に取り組んでまいります。

それと同時に、地域ごとの異なる課題に対応するため、「出前講座」などによる情報提供を進め、地域単位のきめ細やかな防災活動を積極的に支援してまいります。

また、地域での防災活動と並行して、市民の皆さんへの有効な情報伝達手段である防災行政無線のデジタル化にも取り組み、より一層の防災対策の充実に努めます。

  6.道路網の整備について

私が申し上げるまでもなく、山陰道は、産業・経済の振興はもとより、救急医療や災害時の緊急輸送路としての役割を担う重要な道路であり、まさに地域住民の「生命の道」として、その早期整備は地域住民にとって切実なものがあります。

このような中にあって、山陰道の代替路線である浅利・江津間の県道浅利渡津線は、平成30年中に江津工業団地から国道9号江津バイパスまでの間を開通される見込みとなっています。

今後は、平成28年4月に事業化された山陰自動車道「福光浅利道路」の早期開通及び山陰自動車道(安来~益田間)の早期全線開通に向け、引き続き国に対し強く要望してまいります。

また、市中心部と周辺集落を円滑につなぐ「全市30分道路網」構想に基づき、5月7日の災害により全面通行止めとなった区間を含む国道261号の改築の延伸、桜江金城線、皆井田江津線の改良等、主要な幹線道路の整備促進が図られるよう引き続き県に要望してまいります。

一方、生活道路の整備につきましては、平成26年度に策定した「江津市通学路交通安全プログラム」を着実に実施することにより、市道都野津神村線など、通学児童の安全確保のための対策を図ってまいります。

あわせて、日々のパトロールや地域の皆さんからの要望等による道路異常箇所については、利用者の安全性の確保の観点から引き続き適正な管理に努めてまいります。

  7.治山治水等の対策について

まず、江の川の河川整備につきましては、平成28年2月に策定された「江の川水系河川整備計画」に基づき、現在、川越、八神地区の堤防整備事業並びに川平地区土地利用一体型水防災事業が行われています。

今後とも、これら事業の一日も早い完成、更には無堤防地区の解消に向け、国に対し強く要望してまいります。

また、八戸川及びその支川の整備につきましては、現在、島根県において、「江の川水系八戸川流域河川整備計画」の変更作業が進められています。

その整備方針につきましては、本年2月中旬から八戸川沿川5地区で、住民の皆さんに説明されたところです。

今後は、一日も早い事業着手に向け、島根県に対して強く働きかけてまいります。

また、波積ダムについては、現在、仮排水路工事に着手しており、本年度にはダム本体工事が発注される予定となっています。

早期の完了が実現するよう、国及び県に対し引き続き要望してまいります。

あわせて、本年1月29日に波積ダム周辺整備計画検討委員会より提言をいただきました波積ダム周辺整備工事につきましては、ダムの整備に併せ順次整備してまいります。

島根県では、平成25年災害による被害を受け、治山事業、砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業を施行されています。

本市としても、被災関係地権者や関係機関と調整するなど、県と一体となって事業の早期完成を目指してまいります。

  8.海岸保全について

現在、和木波子海岸の区域において、県が事業主体となって旧和木漁港を中心に浸食対策のための事業を行っています。

更に、平成28年11月に和木波子海岸保全区域に追加指定された、真島から東の区域につきましても、平成29年度より調査設計が行われています。

今後は、工事着手に向け作業を進めて行く予定とのことであり、工事の一日も早い完成に向け、引き続き要望してまいります。

  9.都市計画等について

市街地の整備につきましては、シビックセンターゾーン、江津駅前、江津本町の整備を進めています。

こうしたなか、平成27年3月には中心市街地活性化基本計画を策定し、計画的にその整備を進めているところです。

現在、ビジネスホテルや江津ひと・まちプラザがオープンし、空き店舗の利用も進んできており、江津駅前地区の様相が一変するなど、一定の効果が見え始めています。

今後も本市の「顔・玄関口」に相応しいまちづくりをより一層進めてまいります。

柿本人麻呂の歌にも詠まれた本市の豊かな自然景観は、古来より地域の人々に愛されてきました。

また、神社仏閣、史跡名勝など歴史と文化を感じさせる景観、特徴的な石州赤瓦の家並み景観はもとより、石見神楽や田植え囃子、宝来栄(ホーランエー)なども重要な文化的景観と捉えております。

これらの魅力的な景観を守り育てるため、市民・事業者・行政が協働し、美しい景観、価値ある景観を保全・継承・創造する特化した取り組みを推進してまいります。

  10.国民健康保険事業について

国民健康保険事業につきましては、今年度から、県と市町村がともに運営を担うという「新国保制度」がスタートいたしました。

このたびの、制度改正は、国民皆保険の最後の砦である国民健康保険を、将来にわたって、安定的に運営していくための改正です。

本市においても、医療費の一層の適正化に努め、市民の皆さんが安心できる国民健康保険制度を支えてまいります。  

  11.水道事業について

水道事業の経営については、給水人口や給水戸数の減少に伴い今後益々厳しい、状況となることが予想されます。

一方で、昭和30年代に布設した老朽管が多く存在し、また経年劣化が進んでいるため、今後、これらの水道管の更新が不可欠となります。

また、その更新のためには多額の経費が必要となるところから、水道事業会計に与える影響は大きなものがあります。

今後は、こうしたことなどを総合的に検討しながら、計画的に老朽管の更新を進めるとともに、水道料金の改訂についても検討する必要があると考えています。

  12.下水道事業について

本市の汚水処理人口普及率は、平成28年度末で44.9%であり、島根県全体の普及率78.6%に比べるとかなり低い状況にあります。

しかしながら、人口減少による使用料収入の減少や、施設の老朽化に伴い、汚水処理費は年々増加し、一般会計からの多額の繰入金でまかなっているのが実態です。

このため、引き続き接続率の向上に努めるとともに、整備区域の更なる見直しや使用料の改訂についても、早急に検討する必要があると考えています。

  13.行財政運営について

次に、行財政運営についてですが、地方財政を取り巻く環境は厳しさを増し、とりわけ本市のように国の財源に多くを依存する自治体は、今後ますます厳しい財政運営を余儀なくされると予想されます。

一方で、社会保障関係費や安心安全な地域社会を構築するための経費、更には複雑多様化する行政ニーズに適切に対応するための経費などは、今後ますます増加すると考えられます。

こうした中で、将来にわたって持続可能な市政運営を行うためには、あらゆる施策について、ゼロベースから見直すなど、市政の舵取り役として、更なる財政健全化と行財政改革を熟慮断行していきます。

なお、市政発展に欠かすことのできない「江津市版総合戦略」に掲げた取り組み等については、財政が厳しいからといって、縮み志向に陥ってはならないと考えます。

財政健全化とのバランスに細心の注意を払いながら、必要な施策については着実に取り組んでまいります。

江津市版総合戦略には、「GO GOTSU 山陰の創造力特区へ」というスローガンを掲げております。

課題が山積するなか、私たちがこれから歩む道のりは、決して平坦なものではありません。

しかしながら、議員、市民の皆さんとともに新しいものを作り出す力、つまり、創造力を発揮し、前例や常識にとらわれることのない江津市独自の解決策を生み出すことにより、目の前の課題は一つひとつ着実に乗り越えていくことができるものと信じています。

私は将来に亘って持続可能な市政運営、そして、「小さくともキラリと光るまち江津」を目指して、全力で取り組む覚悟であります。

 

備考

アクセシビリティ向上のため、原文の表現を「勘案」から「検討」に、「懸案」から「心配」に、「皆様」から「皆さん」に、「要因」から「原因」に変更して掲載しています。