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江津中学校 学校だより10月号

掲載日:2017年2月16日更新
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お天道様が見ている(平成28年10月26日)

本校では、今月28日に第五十七回島根県教育研究大会の会場校として道徳の授業を公開致します。(他に保健体育科、音楽科も同様です。)今号ではその道徳教育について私見を述べます。少し堅苦しい内容となりますがご容赦下さい。

  さて、この道徳教育については本校の指導の重点として、「生きる力」の構成要素の一つである「豊かな人間性」の育成に資するよう、特に「道徳の時間」の充実に取り組んでいるところです。道徳教育は全教育活動を通して行われるものですが、その要(かなめ)として週1時間行われる「道徳の時間」に焦点を当てたものです。その中で、特に規範意識や公共心の基盤を育むことを重点にしております。「規範」を辞書で引きますと、「人間が行動したり判断したりするときに従うべき価値判断の基準。」とあります。ここで注目したいのが「従うべき」という表現です。価値判断の基準に従わなければならないと解せます。それでは「基準」とは何でしょう。現代社会において、この基準が大幅に揺らいできており、その影響が随所に見られることは例を挙げる必要もないことと思います。法治国家である我が国においては、種々の法律の下で日常生活が営まれています。それに反すれば司法によって裁かれます。しかし、法に触れなければよいのかというとそうではありません。人々が気持ちよく生活するには「モラル」という高次元なものが個々に求められることになります。私は、「従うべき判断基準」としてこの「モラル」の概念を重要視します。それでは、さらに一歩進めてこの「モラル」を支えるものはいったい何かということですが、私は「恥の精神」こそがそれではないかと考えています。この「恥の精神」こそが規範意識を支え、さらに道徳全体の各徳目を支えるものと考えます。さらにもう一歩進んで、その「恥」についてです。江戸時代の武士社会では、羞恥心を大切にすることを幼児期から徹底して教え込みました。「人に笑われるぞ」「体面を気にせよ」「恥ずかしいことをするな」などの言葉は、過ちを犯した子どもの振る舞いを正す常(じよう)套(とう)句(く)でした。武士社会における徳には、すべて「恥」の意識が働いています。日本人の精神文化が「恥の文化」とよく言われるのは、この武士社会からの長い年月の中で培われたものと考えられます。また、明治時代以降も、「誰も見ていなくても、お天道(てんとう)様が見ている。」という言葉に代表されますように、人の行動を決定する判断基準に、自分自身に恥じない行動かどうかという物差しがありました。しかしながら、現代の日本社会において、この物差し、いわゆる「恥の精神」はどこへいったのかという状況が、大人社会をして蔓延しています。さて、それでは「お天道様が見ている」を復活させるにはどうすればいいのか。私は、子ども社会にそれを復活させるには、身近な大人が率先して、人の生き方、生きざまを具体的に子どもに見せることが極めて大切であり有用と思うのです。もっと具体的に言えば、「恥」の対極にある「名誉」ある生き方について自問自答する必要があると思うのです。教職に就くものなどその代表でなければなりません。ただし、この「名誉」については、虚栄や世俗的賞賛と大きくかけ離れたものでなければなりません。立身出世でももちろんありません。明治期に、「末は博士か大臣か」という言葉がありましたが、これも真の「名誉」とは程遠いものです。孟子は、「誰でも名誉を欲する心を持っている。しかし、真の名誉は他ではなく、自身の心の中にあることを理解している人は希である。他から授かる名誉などは、真の名誉とは断じて言えない。」と記しています。そのような視点から「名誉」を考えるとき、私たち大人が子どもに見せるべき「名誉」とは「高潔さ」ではなかろうかと私は思っています。大人が高潔な生き方をめざし、その判断基準に沿って自らの言動を律し、価値観の中心にこの「高潔さ」を据え、実践する。このような大人の姿が子どもたちの身近にあれば、先に課題としてあげた規範意識や公共心といった徳目は、他の徳目すべてと一体となって、より高い価値へと昇華し子どもたちに浸透すると思うのです。

 さて、今号も私自身を省みず書いてしまいました。また、話もくどくなりました。失礼を重ねておりますことお許し下さい。

校長 山藤俊治

PDFファイルも添付しています

平成28年度学校だより10月号 [PDFファイル:351KB]

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