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平成27年3月4日 施政方針

掲載日:2017年3月9日更新
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平成27年3月4日 施政方針

平成27年第1回江津市議会定例会の開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、平成27年度における市政運営の基本的な考え方と主要施策について申し述べます。

(国内・県内の経済情勢)

まず、わが国の経済情勢は、家計や企業の景況感の悪化に歯止めがかかるなど、緩やかな回復傾向が持続しています。
一方で、県内の経済情勢は、生産活動や雇用情勢は全体として持ち直しの動きが続くものの、個人消費については、一部に弱い動きが見受けられます。

(国の動向)

このような情勢の下、安倍政権は「人口減少の克服と地方の創生」を重要課題とし、法人税改革《H26年度:地方法人住民税率(市町村民税)12.3%→9.6%(△2.6%)》などの成長戦略により「日本経済を確実な成長軌道に乗せる」としています。
こうした中、この2月3日に平成26年度補正予算が成立し、地方での商品券発行に対する助成など、消費喚起や地域活性化に重点を置いた、総額3兆1,180億円の経済対策を講ずることとしています。
また、平成27年度予算については、一般会計の総額が過去最大の96兆3,420億円となる新年度予算案を国会に提出し、3月末までの成立を目指すとされています。
基本的な方針は、平成26年度から引き続き、予算の重点化を進めるため、地方の創生と人口減少の克服に向けた取組みについて、「新しい日本のための優先課題推進枠」を措置するとされています。

(県の動向)

一方、先日、公表された島根県の平成27年度当初予算案は、知事選を控える中、政策的経費を含め、前年度比較で0.5%増の5,300億円で、平成26年度2月補正予算と連動した積極予算となっています。
とりわけ、国が掲げる「地方創生」関連予算を活用し、結婚、出産、子育て支援、産業振興、UIターン対策などの「地方創生・人口減少対策」について、同日に公表された平成26年度補正予算案を含めて、総額637億円を充てる予算編成となっています。

(江津市の予算)

こうした国・県の動向を踏まえて、本市においても、平成26年度補正予算と平成27年度当初予算を一体として編成し、今議会に提案することとしています。
また、本年度補正予算の内、国の緊急経済対策と地方創生先行措置に対応した補正予算については、今後、国や県との調整があることから、追加提案することとしています。
この内、国の緊急経済対策の柱である「地域消費喚起・生活支援型」交付金については、プレミアム付き商品券を発行することにより、すみやかに市内消費を後押しできるよう取り組むこととしています。
次に、本市の平成27年度当初予算については、最重要課題である地方創生・人口減少問題に対処するため、定住促進、地域コミュニティの推進、中心市街地の活性化、地域医療の維持などに重点を置き、予算編成を行いました。
さらに、道半ばにある災害復旧事業についても、早期の完了を目指し、予算の重点配分をしています。
こうしたことに加え、雇用の確保、UIターン促進、子育て支援等の新たな施策については、地方創生先行型交付金を活用した平成26年度補正予算で措置することとし、平成27年度へ繰越し、当初予算と一体となって実施してまいります。

以上、予算編成に関する基本的な考え方を申し述べました。
次に、「地方創生」にかかる取組み姿勢と主要な施策について述べさせていただきます。

(地方創生)

昨年11月に「まち・ひと・しごと創生法」が制定されました。
この法律は、将来に夢や希望を持てる、誰もが安心して暮らすことができる地域づくりを進めるため、3つの視点を基本として、魅力あふれる地方を創生することを目指しています。
具体的には、「若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現」、「東京一極集中の歯止め」、「地域の特性に即した地域課題の解決」です。
また、都道府県と市町村には、それぞれ「地方版まち・ひと・しごと創生 総合戦略」の策定が要請されています。
これを受け、本市においては、遅くとも平成27年中には「江津市版総合戦略」を策定したいと考えています。
更に、しっかりとした取組みには、国からの情報支援や財政支援がなされることになっていますが、このことは、逆に言えば、座して待つだけの地方には衰退が待つばかりということであります。
この江津市から地方を変えていく、ひいては日本を変えていく、との気概を持って、「江津市版総合戦略」の策定に臨みたいと考えています。

それでは、具体的な施策の方向性について、国の総合戦略の基本目標に沿って述べたいと思います。

(1、地方における安定した雇用を創出する)

まず、「地方における安定した雇用を創出する」という基本目標についてであります。
地域産業の競争力強化として、まずは、農林水産業の6次産業化を推進します。
現在、本市においては、農林水産物などの地域資源を活用した6次産業化の動きが、個人や地域コミュニティ、或いは企業などによって、取り組まれつつあります。
これらの取組みが、産業として確立し、農林漁業事業者などの所得の向上と雇用の場を確保できるよう支援してまいります。それと同時に、こうした6次産業化の取組みが、若者にとって魅力ある働き場となるとともに、新たな特産品が誕生することを期待しています。
また、市内の中小企業者の設備投資にかかる支援や、企業の人材確保のための支援など、企業の競争力を強化する取組みについて、引き続き力を入れてまいります。
とりわけ、昨年度から新規の企業立地や工場等の増設が進んでおり、新たに安定した雇用の場が生まれつつあります。
このことから、企業への人材と定住人口の確保のために、高校生や大学卒業予定者等を対象とした企業ガイダンスやキャリア教育などの取組みの強化により、地元への就職を一層進めてまいります。

(2、地方への新しい人の流れをつくる)

次に、「地方への新しい人の流れをつくる」という基本目標についてであります。

ご承知のとおり、本市では、ビジネスプランコンテストや駅前再開発などを機に、若者による起業や開業、或いは交流イベントなどが活発に展開されています。すなわち、若者が若者を呼び込み、互いに刺激し合うことによる、自発的な取組みが「まちの魅力」を助長しています。
そこで、本市では「若者がチャレンジできるまち・若者の挑戦を地域ぐるみで応援するまち」としてブランド化を図り、若者定住に全力を傾けていきます。
そのため、まずは、移住や定住、交流を促進する専門相談員の配置や、都市部から若者を呼び込む活動をしている市民の実践者をコーディネーターに委嘱するなど、多様なチャンネルから若者や女性を惹きつけ、UIターンを促す取組みを進めます。
また、現在、取り組んでいる通学合宿やロボット教室などの「ふるさと教育」や「次代を担う人づくり」について、さらに充実してまいります。
こうした取組みにより、子どもたちの故郷への誇りを醸成し、本市に住み続けたい、或いは、「将来帰って来たい」と思わせるような「まちづくり」を推進します。 

(3、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる)

次に、「若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる」という基本目標についてであります。

本市では、平成28年度に竣工予定の公共公益複合施設に、子育てサポートセンターやワークステーション江津、また社会福祉協議会の入居が予定されています。
こうしたことに加え、この公共施設に「子育て世代の包括支援センター(仮称)」の機能を付与する方向で、現在、検討を進めています。
すなわち、結婚から、妊娠・出産、子育て、そして再就職まで、この包括支援センターにおいてワンストップで支援することで、本市で暮らす若者が「望みどおりの結婚ができ」、「安心して子育てができ」、さらには「子育て中の女性がスムーズに再就職ができる」、そのような環境を、各種支援制度の創設・充実とあわせて、整備します。
当面、本年4月からスタートする「子ども・子育て支援新制度」の施行に併せ、多子世帯の子育てにかかる経済的な負担の軽減を中心に、支援制度の充実を図ってまいります。

(4、時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する)

次に、「時代にあった地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する」という基本目標についてであります。

まず、平成28年度に供用開始を予定している公共公益複合施設を中心として、交流イベントの充実や商店会の活性化などによる、中心市街地のにぎわいづくりを進めてまいります。
この公共施設が本市のランドマークとして、市内外からの交流と経済効果を生み出す拠点となるよう、魅力化に努めてまいります。
また、中山間地域等における多機能型の小さな拠点づくりとして、現在推進している地域コミュニティの充実・活性化に併せ、桜江支所を活用した、桜江地区のワンストップ型の福祉拠点(副次拠点施設)を整備してまいります。
こうした地域の拠点化に併せ、平成27年度において、交通体系の再構築を図るため、「公共交通に関する基本計画」を策定します。

以上が、本市の地方創生と総合戦略策定にあたっての基本的な考え方でありますが、この総合戦略については、市議会においても十分なご審議をいただきたいと考えています。

一丸となって

この総合戦略は、行政だけが旗を振っても成果が表れるものではありません。
「民(市民)・学(学校)・産(企業)・金(金融)・官(行政)」が一丸となって、この人口減少対策や雇用対策に取り組むことが必要です。
そのため、総合戦略の策定にあたっては、移住促進や子育て支援などについて、自治会や地域コミュニティ、婦人会などの各種団体をはじめ、企業やNPO法人など、広く市民の皆さまから意見やアイデアを聴取したいと考えています。

この他、平成27年度事業の主なものとしては、平成28年度までに策定が求められています公共施設等総合管理計画と、これに伴う固定資産管理台帳等の整備、平成28年1月から利用が開始される番号制度への対応、さらには、介護保険制度の改正に伴う地域包括支援体制の整備など、国の制度改正等に伴うものがありますが、これにより、地方自治体の事務的負担や財政負担が益々増大することが見込まれます。

こうした中においても、通学路の整備を始め、防犯灯のLED化や防災行政無線の屋外拡声子局拡張などにより、「安全で快適な生活環境づくり」をさらに一歩進めるほか、「豊かな創造性を育む人づくり」を目指し、全小中学校に配置した学力向上支援員や未来を拓く江津塾事業など、第5次江津市総合振興計画後期計画に基づく各種の施策について、着実に推進します。

以上、地方創生にかかる基本的な考え方と主要な施策について申し述べましたが、これらの重点施策や制度改正に、迅速かつ的確に対応するため、平成27年4月に組織の機構改革を行います。

まず、平成27年4月1日から施行される教育委員会制度の改正にあわせ、教育委員長と教育長を一本化した新「教育長」を設置します。今後は、市長と教育委員会が、教育施策の方向性を共有し、一体的に教育行政を執行することになります。

また、部制を廃止し、課制とすることで、効率的かつ機動的な組織とし、多様化する行政課題に柔軟かつ迅速に対応してまいります。
組織の簡素化を図る一方で、新たに、地方創生などの特命事項を掌理させる顧問を配置します。あわせて、「まち・ひと・しごと創生 総合戦略」の策定と人口減少対策を重点的に実施するため、政策企画課内に地域振興室を設置します。

ご承知のとおり、昨年5月、「日本創生会議」の「人口減少問題検討分科会」により、独自の将来推計人口に基づく「消滅可能性都市」が公表され、本市もその中に含まれています。現下の本市の社会構造や産業構造を踏まえると、残念ながら、当分の間、本市の人口減少は避けられないと考えています。
そうであれば、これを与件、すなわち、与えられた事実を真しに受け止め、そして、出発点ととらえ、希望のある未来を築くため、たゆまない努力を続けることが必要であります。
それと同時に、こうしたことに目をふさぐのではなく、まずは市民挙げて、しっかりとその現実を認識することが重要と考えます。人口減少のスピードを抑える努力をし続けることで、本市が、持続可能なまちへと生まれ変わると信じています。

そして、そうした共通認識の下、市民の皆さまとともに、その道筋をつくり、これからの江津市を担う人へ引き継ぐことが、私たちに課せられた使命です。

こうした観点から、今後とも、市政運営の基本理念である、持続可能な市政運営、そして「小さくともキラリと光るまち」を目指し、市政を展開してまいりますので、どうか議員の皆さま、並びに市民の皆さまにおかれては、より一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、私の施政方針とします。