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平成28年3月2日 施政方針

掲載日:2017年3月9日更新
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平成28年3月2日 施政方針

平成28年第1回江津市議会定例会の開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、平成28年度における市政運営の基本的な考え方と主要施策について申し述べます。

(1.国内・県内の経済情勢について)

まず、わが国の経済情勢は、一部に弱い動きが見られるものの、緩やかな回復基調が続いています。

また、その先行きについては、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、これに呼応し我が国の景気が下振れするリスクが懸念されています。こうしたことに加え、今後は金融資本市場の変動の影響にも留意する必要があります。

一方で、県内の経済情勢は、マクロ的な経済指標では、緩やかな持ち直しの動きも見られますが、景気回復が実感できないとされる中小企業や小規模企業も多く、内外の情勢をよく注視する必要があります。

(2.国の動向)

このような情勢の下、政府は、安倍政権が重視する「1億総活躍社会」の実現に向けた施策を中心に2016年度予算案が閣議決定されています。

この中において、アベノミクス「新3本の矢」で掲げる「希望出生率1月8日」に直結する施策や「介護離職ゼロ」を後押しする施策、さらには「地方創生の本格展開」など、緊急に実施すべき対策に予算の重点配分がなされています。

また、平成28年度より創設される新型交付金(地方創生推進交付金)についても、1千億円が計上されるなど、地方の自主的かつ先駆的な取り組みを推進することとなっています。

この結果、平成28年度当初予算は、4年連続で過去最大を更新し、一般会計総額は96兆7,218億円となっています。そして、1月に国会へ提出され、3月末までの成立を目指すとされています。

(3.県の動向)

一方、2月18日より開会された島根県議会2月定例会における平成28年度当初予算案では、「総合戦略」に基づく地方創生・人口減少対策を中心に、平成27年度2月補正予算と一体として編成されています。

とりわけ、3つの大きな柱として、

● 「まち・ひと・しごと創生 島根県総合戦略」に基づく地方創生・人口減少対策、

● 安全安心な県土づくり、

● 生活を支える公共サービスの充実

を掲げ、特に「地方創生・人口減少対策」関連予算については、総合戦略の基本目標に沿って、産業振興等による雇用の創出、結婚・出産や子育て支援、UIターン対策など、総額782億円を充てる予算編成となっています。

(4.江津市の予算)

こうした国、県の動向を踏まえ、本市の平成28年度当初予算については、「地方創生・人口減少対策」のため策定した「江津市版総合戦略」に重点を置き編成しています。

さらに、これまで取り組んできた「定住促進のための施策」や「済生会江津総合病院の支援」などは、これらに関連するもので、引き続き予算の重点配分を行っています。

そのほか、年々増加する扶助費などの社会保障関係費や公共施設の維持管理費などについても所要額を措置しています。

一方、歳入については、その4割近くを占める地方交付税が、人口減少や合併算定替えに伴う縮減による影響などで減額が想定され、平成27年度に続き「まち・ひと・しごと創生費」の加算はあっても、その総額は減額となる見込みです。

その他の歳入についても、多くを見込むことはできないため、平成28年度当初予算は、9億円余の基金を取り崩すなど、厳しい予算編成となっています。

今後の予算執行により、一定程度圧縮できると考えていますが、厳しい財政状況には変わりありません。

このため、歳入の一層の確保に努めるとともに、歳出についても費用対効果などの観点から、引き続き見直しを行うなど、その収支均衡に努めてまいります。

なお、平成25年8月の豪雨災害による「災害復旧にかかる経費」は、3年間の復旧計画の最終年度である、平成27年度予算をもって、すべて措置しています。

しかしながら、様々な要因により、その大半を平成28年度に繰り越すこととしており、一日も早い復旧を目指し、引き続き全力を挙げて取り組んでまいります。

以上、予算編成に関する基本的な考え方を申し述べました。

次に、「地方創生」にかかる江津市版総合戦略の取り組み姿勢と主要な施策について述べさせていただきます。

(5.地方創生全般について)

まず、焦眉の急である地方創生についてですが、

平成27年度は、地方創生元年として、しごとの創出や子育て・教育環境の充実など、職員が一丸となって取り組んでまいりました。

そうした中、昨年12月に、まち・ひと・しごと創生「江津市版総合戦略」を策定し、今後5年間で本市が取り組むべき施策を明確にしたところです。

この総合戦略を着実に実施し、かつ実効性のある取り組みとするため、本年2月、部局横断的な組織である「江津市まち・ひと・しごと創生推進本部」を設置しました。

今後は、この推進本部がエンジンとなって、地方創生・人口減少対策に取り組んでまいります。

また、総合戦略の効果検証については、その妥当性や客観性を担保するため、外部有識者6名の委員からなる「江津市まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会」を設置しています。

総合戦略に掲げた各施策や事業の効果検証については、この審議会において検証していただくとともに、その結果は、総合戦略の今後の見直しに反映してまいりたいと考えています。

次に、地方創生に関する国の動向についてですが、

本年1月、地方版総合戦略の推進を加速させることをねらいとする「地方創生加速化交付金」の募集があり、本市も、若者の人口減少対策を目的とした事業計画を提出しています。

また、平成28年度についても、地方版総合戦略の本格的な推進に向け新型交付金が創設される見込みであり、こうした国の交付金等を有効に活用して、江津市版総合戦略を着実に推進してまいります。

いずれにしても、地方創生の取り組みは、一朝一夕に進むものではありません。

今まで本市が進めてきた産業振興や雇用対策、子育てや教育環境の充実など、歩みを止めず、一歩一歩、地道に進めていくことが肝要であると考えています。

(産業振興関連・基本目標1:生業を増やし安定した雇用をつくる)

そうした中で、主要な取り組みについてですが、産業振興については、地域産業の競争力強化として、まずは、農林水産業の6次産業化を推進します。

現在、本市においては、農林水産物など地域資源を生かし、新たな産業創出を目指すため、「江津市6次産業創造戦略会議」を昨年10月に設立しています。今後はこの組織を中心に、市内の事業者や関係団体・機関などが連携を強化し、地域を挙げて農山村漁村の所得向上に努めます。

それと同時に、こうした6次産業化の取り組みが、若者にとって魅力ある働き場となるとともに、新たな特産品が誕生することを強く期待しています。

また、昨年7月から操業を開始した「しまね森林発電所」への木質チップ燃料をスムーズに供給するための環境づくりを図ってまいります。

また、現在整備中の公共公益複合施設「江津ひと・まちプラザ」は、今年8月にオープン予定であり、中心市街地活性化の拠点として、交流人口の拡大とにぎわい創出などを図るため、様々な取り組みを進めてまいります。

それと同時に、昨年12月にオープンした駅前ホテルを中心に、商業店舗の新規出店など、商業機能充実のための取り組みを積極的に支援してまいります。

こうしたことに加え、市内の中小企業者の設備投資にかかる支援や、企業の人材確保のための支援など、企業の競争力を強化する取り組みについても、引き続き力を入れてまいります。

とりわけ、昨年度から新規の企業立地や、工場等の増設が進んでおり、新たな雇用の場が生まれつつあります。

このことから、企業への人材と定住人口の確保のために、高校生や大学卒業予定者等を対象とした、企業ガイダンスやキャリア教育などの取り組みの強化により、地元への就職を一層進めてまいります。

また、今後、就業人口が大幅に減少することが予測されています。このため、中小企業においては、企業の魅力化を推進し、離職者の防止を図ることが課題となっています。

このため、企業の魅力アップセミナーなど、従業員の雇用を継続させるための取り組みを一層推進します。

(教育振興関連・基本目標2:住みたい!住み続けられる江津をつくる)

次に、教育の振興についてですが、

本市は、とりわけ若年世代の人口減少が顕著であることから、若年世代のUIターンを促進するとともに、本市で生まれ育った若者の人口流出を抑制する施策の充実が必要となっています。

そのため、地域の教育資源を活かした学習活動を通して、ふるさとへの愛着と誇りを育むとともに、今の学びと未来の生活のつながりを意識して、子どもたちの自立をめざす教育を、学校と家庭だけでなく地域ぐるみで育てるという考えのもと、小中高と地域が連携した「江津市ふるさと・キャリア教育」を推進します。

そして、こうした取り組みを通して地元定着の一層の促進を図ってまいります。

また、土曜日などに、地域の力を活用して、児童生徒の学習などを支援する「土曜日の教育支援活動推進事業」、いわゆる「サタデースクール」を実施し、「共育」の視点から地域の子どもを地域で共に育て、大人も子どもも共に学び成長する取り組みを推進します。

一方で、児童生徒一人ひとりの学力を最大限に伸長するため、学力向上支援員や国際化社会に順応できる能力を培うための英語指導員(ALT)を配置するなど、引き続き、きめ細やかな教育環境を整えてまいります。

このほか、小学生高学年を対象に、言葉や漢字に多く触れさせることよって、読解力を向上するための取り組みや、中学校生徒の英語力及び学習意欲を向上させるため、「実用英語技能検定」にかかる検定料の助成を行うなど、子どもたちの基礎学力の育成にも努めてまいります。

このように、子ども一人ひとりが自ら学び、考え、行動する「生きる力」を確実に育んでまいります。

こうした教育振興に加え、子どもたちが安心して学習・活動できる教育環境を整備するため、平成28年度より老朽化の著しい、西部地区の小学校の統合に向け、用地の測量調査に着手することとしました。

その完成には、一定期間を要するため、これらの取り組みにあわせ、津宮小学校屋内運動場の安全対策を行うこととしています。

(子育て支援関連・基本目標3:子どもたちの未来を地域みんなで育む)

次に、子育て支援については、核家族化の進展や地域のつながりの希薄化などを背景とした、子育ての孤立感や不安感を軽減することが何よりも重要と考えています。

このため、保育サービスや地域子育て支援センターの充実に加え、本年8月にオープン予定の江津ひと・まちプラザ内に、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対して、総合的相談支援の窓口として「子育て世代包括支援センター」を開設し、妊産婦等の状況に応じた必要な支援を行うなど、妊娠・出産・育児にわたる切れ目ない対策を講じることとしています。

また、保護者の経済的負担軽減策として、保育料の軽減を拡充します。平成27年度は市独自の軽減として、国階層の6階層までの軽減を行いました。

さらに、平成28年度は国の制度改正に伴う保育料の軽減と、県制度による保育料軽減の、2本立てでの軽減を行うこととしています。

これにより、多子世帯やひとり親世帯、あるいは低所得者世帯などにおいて、さらなる保護者の負担軽減が図られることになります。

加えて、保育所への途中入所についてですが、本市においても保育士不足の状態が続いており、年度途中の保育所入所に対応できない場合があります。

このため、途中入所に柔軟に対応できるよう、あらかじめ保育士を確保する私立保育所に対して補助金を交付することにより、待機児童が出ないよう努めてまいります。

また、就学後の子育て支援については、共働きの子育て世帯を支援するため、放課後児童クラブを、これまでの小学校3年生から、小学校6年生までの全児童を対象に拡充することとしています。

このことにより、児童の健全育成を図るとともに、保護者が安心して働ける環境の整備が図られるものと考えています。

このほか、江津ひと・まちプラザに入居するワークステーション江津とも連携し、出産や育児で仕事を中断した女性の再就職支援などに力を入れるほか、平成29年度からは結婚に関する相談窓口の開設を予定しており、若年世代や子育て世代のライフステージに応じた様々な支援や交流の場を創出します。

こうした施策を切れ目なく行うことにより、子どもを産み育てやすい環境や、すべての子どもが健やかに育つための環境を醸成してまいります。

そして、ひいてはこのことにより、合計特殊出生率を高めることにつながることを期待しています。

(安心・安全関連・基本目標4:自助・共助・公助による安心・安全な暮らしを実現する)

次に、安心・安全な暮らしについてであります。

本市では、人口減少や少子高齢化の進む中にあっても、安心で安全な暮らしを実現するため、「江津市地域コミュニティ推進指針」を策定し、生活圏域である連合自治会区域を単位に、地域コミュニティ組織の形成に努めています。

そして、平成27年度末時点で市内18の地域において組織が発足し、残った地域においても組織化に向けた話し合いが進められています。

今後は、地域特性や個別課題に精通された地域コミュニティ組織の皆さまとの協働による地域づくりを一層進め、安心安全な地域社会の構築に努めます。

また、本年度は、旧桜江町役場の建物をワンストップ型副次拠点施設として、耐震化を含め施設改修を行います。

これにより、桜江地区における公共サービスや生活機能のワンストップ化が図られ、市民が利用しやすい機能性の高い施設になるものと考えています。

また、市役所本庁舎につきましても、その建設から相当年数が経過したため、現在、耐震化に向け調査を行っています。その結果は、今後、議会や市民の皆さまにお知らせするとともに、一緒になって今後の方向性を見いだしたいと考えています。

いずれにしましても、公共施設は、市民の皆さまが安全に安心して利用していただくことが第1であり、その他の公共施設の老朽化対策についても、今後、公共施設等総合管理計画を策定する中において、優先順位を勘案しつつ、判断してまいります。

以上、平成28年度における地方創生関連の主要な施策について申し述べました。

(6.JR三江線について)

つぎに、喫緊の課題である、JR三江線についてであります。

昨年10月に突然JR西日本から発表された三江線の存続問題につきましては、12月定例会においても触れましたが、それ以降の状況について報告いたします。

本市においては、本年1月23日にJR西日本米子支社長を交えた住民説明会を、桜江会場と江津会場で開催し、両会場で出された意見や要望を、沿線6市町で構成する三江線利用促進期成同盟会へ報告するとともに、2月には三江線利用促進期成同盟会において、島根県及び広島県知事をはじめ、地元選出の国会議員や管轄する国土交通省へ存続の要望活動を行ってまいりました。

それと同時に、鉄道の存続の可能性も含め、持続可能な地域公共交通のあり方について、実務レベルで幅広く検討するため、先般、沿線市町やJR西日本、島根県及び広島県などで構成する「検討会議」を設置いたしました。

今後は、これらの検討結果などを踏まえ、最終的に三江線利用促進期成同盟会でその方向性を決定することとしています。

いずれにしても、この問題は、慎重な対応が必要であり、そのあり方については、相当な時間を要するものと思われます。このため、議会をはじめ、市民の皆さまには、適宜その情報の提供に努めてまいります。

(7.山陰道について)

つぎに、山陰道についてですが、山陰道の温泉津・江津間14キロメートルの未事業化区間のうち、山陰道「福光・浅利道路(仮称)」の6月5日キロメートル区間は、昨年9月15日に島根県で都市計画決定がなされ、現在、国において平成28年度早期の事業化決定に向けて審議が進められています。

また、残りの区間につきましても、浅利・渡津間は一般県道を当面山陰道の代替路線として位置付け、平成11年度から島根県で県道浅利渡津線の道路改良事業が進められており、平成30年に供用開始の見込みとなっています。

山陰道「福光・浅利道路(仮称)」の事業化が決定すれば、島根県内の山陰道は安来市から益田市の中心部まで一本につながります。山陰道各同盟会と力を合せ、引き続き早期事業着手と早期完成を強く要望してまいります。

(8.治水対策について)

つぎに、治水対策についてですが、「江の川水系下流域河川整備計画」については、長年、早期の計画策定を国土交通省へ要望してきましたが、平成28年2月24日に計画策定となりました。

今後は、この整備計画に基づいた河川整備と治水対策について、早期事業の着手を要望してまいります。

また、支川の八戸川水系につきましても、島根県において平成25年災害の検証結果等に基づき、現在、全体治水計画の見直し作業が進められており、必要に応じて「江の川水系八戸川流域河川整備計画」の変更を行い、平成30年度には優先度を勘案しながら、その対策に着手して行くと伺っています。今後も事業の促進が図られるよう強く働きかけてまいります。

以上、平成28年度における主要な事業の取組みにあわせ、本市が抱える懸案事項について申し述べました。

わたしは、こうした様々な課題を一つずつ着実に進めるとともに、市政運営の基本理念である、持続可能な市政運営、そして「小さくともキラリと光るまち」を目指し、市政を展開してまいります。

どうか議員の皆さま、並びに市民の皆さまにおかれては、より一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、施政方針といたします。