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平成26年9月30日 所信表明

掲載日:2017年1月13日更新
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所信表明(全文)

まずは、先頃発生しました広島市北部の土砂災害により、お亡くなりになりました方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
また、こうした状況を踏まえ、本市といたしましても、その救助活動にあたるため、江津邑智消防組合より、8月22日から8月30日にかけて、水陸両用バギー車をともない、16名を派遣したので、報告いたします。
それでは、平成26年第4回江津市議会定例会にあたり、市政運営に臨む私の基本的な考え方を申し上げます。


日本経済

まず、日本経済はアベノミクスの効果などにより、緩やかな回復基調が続いていますが、消費税増税前の駆け込み需要の反動がみられるなど、7月以降の景気回復は緩慢なものとなっています。  また、県内景気についても、基調としては緩やかな回復を続けているものの、中小企業を中心に、総じて、持ち直しの動きが足踏み状態であります。

国の動向

こうした中、国においては、平成27年度予算の基本的な方針において、予算の重点化を進めるため、「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2014)」や「日本再興戦略(改訂2014)」(いずれも平成26年6月24日閣議決定)等を踏まえた諸課題について、「新しい日本のための優先課題推進枠」を設け、予算編成に取り組むこととされています。
この諸課題には、経済再生と両立する財政健全化や、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減への対応、足元の動き始めた経済の好循環の更なる拡大などが上げられていますが、とりわけ、地方の創生と人口減少の克服に向けた取組みが大きな課題となっています。

そのため、安倍内閣においては、「地方の創生」を今後の経済成長のカギの一つに位置づけ、特に、地方で加速する人口減少を食い止め、地域経済の活性化などに取り組む「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長:首相)の準備室を設置し、秋の臨時国会に関連法案を提出する考えを示しています。
これを受け、県では、この7月に人口対策本部(本部長:溝口善兵衛知事)を設置し、市長会や町村会と連携しながら、少子化対策や人口の一極集中の改善策などを国へ提言することとされています。

本市においても、人口減少対策は最重要課題であり、国の総合戦略等の動向を見据えつつ、定住に結びつく諸施策を着実に推進するとともに、県とも連携しながら、都市から地方へ人口を移動させるための抜本的な方策を、国に対して、積極的に提案してまいりたいと考えています。

市の財政・行財政改革の推進

こうした中、本市の財政見通しですが、歳入面においては、平成27年度から交付税の「合併算定替え」が段階的に終了することで、これが完全に終了する平成32年度には、現在と比較して、約5億円の普通交付税の減額が見込まれています。
一方で、歳出面では、社会保障関係費や公共下水道をはじめとする特別会計への繰り出しなどが、年々増え続け、極めて厳しい状況にあります。
いわゆる、トレードオフな状態にある財政構造の中、今後、いかに財政の健全化を図っていくかが、大きな課題と、受け止めています。
このため、あらゆる施策について、その目的や費用対効果、あるいは、今やらなければならないかどうか、など、今一度「ゼロベース」から見直す必要があると考えています。
また、一方で、企業誘致を始めとする税源の涵養や、地方交付税制度の見直しを国や県に働きかけるなど、歳入の確保にも、積極的に取り組んでまいります。

早期の災害復旧

そうした中において、今後、最優先課題として取り組まなければならないことは、昨年8月23日から24日未明にかけて発生した集中豪雨災害の早期復旧であります。
現年災として5割しか予算計上していないことなどもあり、他市町のように不落、不調といった事態は、現時点で発生しておりませんが、その進捗率(発注率51.8%、着手率23.8%、完了13.2%)を見てもわかるように、建設業従事者数の減少などの原因により、決して楽観視できない状況にあります。
このため、今後は建設業者の皆さまの一層の協力を得るとともに、発注手法なども工夫しながら、一日も早い復旧と、被災地の暮らしの復興に努めなければならないと考えています。

新たな地域社会システムの構築

次に、新たな地域社会システムの構築についてであります。  少子高齢化の進行や、核家族化などにより、地域の自治力が低下しています。
このため、これまでのような地域活動が困難になりつつある一方で、地域で抱える課題は、逆に増えてきています。
こうした中、今、新しい地域社会システムの構築は、喫緊の課題と受け止めています。
このため、本市では、22連合自治会単位で、それぞれの地域が抱える様々な問題について、行政と協働し、対応できる、高い自治力を備えた地域コミュニティを目指し、各地域の取り組みへのサポートに鋭意取り組んでいますが、一層加速していかなければと考えています。
今後、試行錯誤を重ねながら進めていくことになりますが、誰もが明るく、楽しく、そして、生き生きと暮らすことのできる地域社会を構築してまいります。

市職員の更なる資質向上

一方で、市行政についても、新しい地域社会システムに対応し得る、効率的で機能的な組織体制が求められます。 
また、市民の皆さまの行政に対するニーズは、今後ますます複雑・多様化していくものと想定されます。
こうしたニーズに柔軟に対応するためには、職員一人一人の対応力を高めていく必要があります。
このため、市職員の一層の意識改革と更なる資質の向上に努めてまいります。

人口減少問題への対応

次に、人口減少問題への対応についてでありますが。
先頃、日本創成会議・人口減少問題検討分科会により、衝撃的なデータが公表されたことは、ご承知のとおりです。
それによりますと、2040年には、若年女性(20歳~39歳)が半分以上減少し、将来消滅する可能性が高い自治体が、全体の49.8%、896自治体に上るというものでありました。
本市もその中に含まれており、2040年の人口は、14,000人程度、若年女性の減少率は57.2%に上るという推計がだされています。

すなわち、何も手立てを講じなければ、本市の若年女性人口は、2010年現在の2256人から、2040年には965人にまで減少するという推計になっています。
そうならないためにも、今後しっかりと、その対策を行わなければと思っています。
少子高齢化の進行により、日本全体が人口減少に転ずる中、人口の増加は望めませんが、減少幅を、少しでも、少なくしていくことは可能と考えています。
具体的には、出生率を高めるための取り組み、或いは、子どもを産み育てる世代の、地元定着や転入を促進する必要があります。
その前提条件の最も重要な部分は、多様、かつ、魅力ある雇用の場の確保であると思っています。
このため、引き続き、企業誘致に努めるほか、市内企業の体質強化や、農業の6次産業化など、これまでにも増して、積極的に取り組みたいと考えています。

それと同時に、子育て環境や教育環境の整備など、定住に結びつく諸施策についても、着実に推進してまいります。
こうした定住環境づくりのために、まず、市民の皆さまの声に耳を傾けます。
そして、子どもから高齢者まで、だれもが明るく楽しく生き生きと暮らすことのできる「小さくともキラリと光るまち・江津市」を目指し、市民の皆さまとともに力を合わせ、全力を尽くして、市政運営に取り組んでまいる所存であります。

以上、私の市政運営に対する基本的な考え方を申し述べました。

次に、第5次江津市総合振興計画に基づき、主要な施策について、述べさせていただきます。  まず、(基本方針1)「活力ある産業で豊かな生活を築くまちづくり」についてであります。

若者に魅力ある産業づくり

定住促進のための雇用の場の確保と地域経済の活性化は、本市の重要かつ喫緊の課題であります。
まず、企業誘致については、アベノミクスに伴う円安の進行で、企業の国内投資に対する前向きな姿勢が広がりつつあることから、本市においても、新規の企業立地や増設について数社が計画をされています。
これを機会に、島根県等との連携を密に図りながら、私自らが先頭に立って、積極的な誘致活動を行ってまいります。

農林水産業についてでありますが、その取り巻く環境は、大きな変革期を迎えており、国においては、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を進める一方、「強い農林水産業」と「美しく活力のある農山漁村」を創り上げるため、「産業政策」(農地中間管理機構の創設など)と「地域政策」(日本型直接支払制度の創設)を車の両輪として推進しています。
本市においても、これら国の制度を積極的に取り入れるとともに、本市の特色を生かした農業の6次産業化や有機農業など付加価値の高い農業経営の推進をはかります。
林業においては木質バイオマス発電所への燃料供給という新たな需要が発生することにより森林資源を循環利用し、林業の成長産業化を実現することで、雇用の確保と地域経済の活性化を図ります。
それと同時に、新たな担い手の確保と農地及び森林の適正な保全管理を図りながら、農林業と農山村を守り、育てる施策を一体的に講じてまいります。

観光の振興とネットワークづくり

観光の振興につきましては、温泉や万葉、石見神楽など既存の観光資源の活用はもとより、市内に点在する再生可能エネルギー施設の周遊ルートの開発や、この7月に全線開通となりましたJR三江線など、本市固有の魅力ある観光資源の開拓に努め、観光・交流人口の拡大を図ってまいります。

雇用を支える定住環境づくり

次に、定住を支えるための雇用の促進についてでありますが、まずは、総合支援窓口である「ワークステーション江津」を中心に、若者はもとより、女性や中高年齢者の再雇用を促進するため、市内企業等からの雇用情報を積極的に収集し、提供してまいります。
また、雇用情報の提供に合わせ、空き家バンク等による住宅情報やまちの魅力、子育て環境などを総合的に情報発信することにより、U・Iターンを促進してまいります。

次に、(基本方針2)「自然を活かしたふれあいのあるまちづくり」についてであります。

自然とともに歩む環境にやさしいまちづくり

本市においては、既に、風力発電20基や民間事業者による太陽光発電3基が稼働し、来年度には木質バイオマス発電所の稼働が予定されているなど、再生可能エネルギー導入への取り組みが進んでいます。
今後とも、本市の豊かな自然環境を活用した再生可能エネルギー導入への取組みを、一層促進するとともに、市民・企業・行政が一体となった、省エネルギーの推進やごみの減量化など、環境にやさしいまちづくりに取り組んでまいります。

次に、(基本方針3)「健康で安心して暮らせるまちづくり」についてであります。

きめ細やかでぬくもりのある福祉のまちづくり

まず福祉については、来年度に予定されている介護保険制度の改正により、今後は、地域を単位として、介護予防・日常生活支援の体制(地域包括ケア体制)づくりを進めていくことが求められます。  「自助、共助、公助で支え合うまちづくり」を基本理念として推進する地域コミュニティ施策とも連動しながら、年老いても、また障害がある人も、住み慣れた地域で、安心して暮らしていけるよう、地域、行政、事業者、医療などが一体となった仕組みづくりを推進します。

子どもたちが健やかに育つための環境づくり

子どもが健やかに育つための環境づくりについては、来年4月より、「子ども・子育て支援新制度」が本格稼働するにあたり、本市においても、本年度、「子ども・子育て支援事業計画」を策定することとしています。
この計画では、次世代育成支援行動計画の評価や、小学校以下の子どもを持つ家庭を対象に行ったニーズ調査等の結果を踏まえ、質の高い幼児期の学校教育、保育の提供、そして地域における子ども・子育て支援の充実を図ることとしています。
そして、子育て世代が抱える、子育てに関する不安感、孤独感、さらには負担感を十分認識し、その解消に向けて、施策を展開してまいります。

健康で活動的な長寿のまちづくり

市民の健康づくりについては、乳幼児から高齢期までのすべてのライフステージにおいて、健康に過ごせるよう、健康づくりのための意識啓発、特に「自分の健康は自分で守る」という意識づくりに努め、市民の主体的な健康づくりを支援してまいります。

地域医療体制については、圏域及び隣接する自治体との連携を強化するとともに、地域医療拠点病院等については、医師・看護師不足や開業医の高齢化・後継者不足も視野に入れ、きめ細やかな支援をしてまいります。

国民健康保険については、誰もが安心して医療が受けられる医療保険制度を堅持できるよう、徴収率の向上や、より効果的な保健事業の推進に努めてまいります。
また、国保制度の抜本的な改革について、引き続き、国や県へ積極的に働きかけてまいります。

次に(基本方針4)「安全で快適な暮らしを支えるまちづくり」についてであります。

地域を支える道路交通体系づくり

まず、道路網の整備については、市民生活の安心・安全を推進するため、市中心部と周辺集落を円滑につなぐ道路網の構築を図るため、幹線道路の整備や、生活道路の改良を促進してまいります。
また、地域公共交通につきましては、年内に、国の交通政策基本計画が示される予定であり、この基本計画に則り、地域の実情や公共交通に対する住民ニーズを踏まえながら、地域ごとの交通体系のあり方を再検討してまいります。

安全で快適な生活環境づくり

安全で快適な生活環境づくりについては、現在、進めている駅前地区再生整備事業による中心市街地の活性化など、コンパクトなまちづくりを進め、これにより、周辺地域への波及効果につなげてまいります。
また、上下水道など住環境の整備はもとより、本市固有の赤瓦の家並みや江の川の自然景観の保全など、江津らしい、そして誇りと愛着のもてる景観まちづくりによる、定住環境の整備を進めてまいります。  加えて、治山治水対策など災害に強いまちづくりを進める一方、地域自主防災活動の推進など、市民との協働によるソフト面からの災害対策についても、強化をしてまいりたいと考えています。

次に(基本方針5)「豊かな心を育む芸術・文化・教育・スポーツのまちづくり」についてであります。

現在、本市では、学校・家庭・地域の連携による地域ぐるみの教育力向上に取り組んでいますが、とりわけ、次代を担う子供たちへ、古(いにしえ)より連綿と受け継がれてきた本市固有の歴史や文化をきちんと伝承し、ふるさとへの慈しみや誇りを持てる「ふるさと教育」を推進してまいります。

また、学校教育の充実については、個に応じた支援を行うことにより、児童・生徒の「確かな学力」を育成するとともに、心の情性を思いやる取組みを実施し、たくましく生きる力を養ってまいります。

最後に、(基本方針6)「コミュニティがいきいきと輝くまちづくり」についてであります。

「小さくともキラリと光るまち・江津市」を実現するためには、地域コミュニティやNPO、企業など、地域を支える多様な主体がいきいきと活動し、行政と共に、多種多彩なまちづくりを展開していくことが重要です。
地域コミュニティやNPOなどの活動主体が伸び伸びと活躍できるよう、支援をしてまいります。

以上、第5次江津市総合振興計画に沿って、主要な施策と基本的な考え方を申し述べました。

合併10周年・市制施行60周年

奇しくも本年は、本市の合併10周年と市制施行60周年を迎えます。
市民の皆さまとともに、この節目の年を祝うため、10月1日に江津市総合市民センター大ホールにおいて、記念式典を開催いたします。

この記念すべき年に市長に就任いたしました私の使命は、本市が直面している様々な課題に、真摯に取り組み、持続可能な市政運営を実現し、そして次世代に引き継ぐことであります。
そのため、常に市民の皆さまの生の声に耳を傾けるとともに、財政力等を考慮した大局的な見地から、将来を見据えた市政運営に努めてまいります。  すなわち、あれもこれもという総花的な施策ではなく、緊急性や実効性などの観点から、優先順位を決めて取り組んでまいりたいと考えています。

これは決して容易なことではありませんが、市民の皆さまの付託に応えるべく、不退転の決意で臨むものであります。
改めて、議員、並びに市民の皆さまのご理解とご協力を心からお願いを申し上げます。

以上、私の決意を表明させていただきました。

 

(備考)

アクセシビリティ向上のため、原文の表現を「先般」から「先頃」に、「是正」から「改善」に、「要因」から「原因」に変更して掲載しています。