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H29江津中学校 学校だより10月号

掲載日:2017年10月2日更新
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子供は環境で育つ (平成29年9月27日)

 あと数日で10月に入ります。神(かん)無(な)月(づき)です。10月には日本の各地から神様が本県の出雲に集まり、出雲地方以外では神様がいなくなることからそのように呼ばれています。ただし、出雲地方では全国から神様が集まるということで、神(かみ)在(あり)月(づき)と10月を称しています。
  今号は、読書について私見を述べます。尚、この読書については昨年度の「江中」1月号でも書いておりますので、併せてご覧ください。(本校のホームページに掲載しております。)

 以下は、9年前、私が渡津小学校の校長だったときの体験です。
当時の6年生の男子から、一冊の本を紹介された話です。その男子は読書量が多く、担任の先生から、「普段から沢山の本を読んでいる子です。色々な知識を持っていますよ。」と聞かされていました。あるとき、「本が好きなんだね。お薦めの本を一冊紹介してよ。」と頼んでみました。それが「勇者の剣」という本で、渡津小の図書室にあるということなので早速借りました。イギリスのブライアンジェイクスという人が書いた本で、西郷容子さんが日本語に訳されたものでした。これがなんと500ページを超え、小さな字がびっしりの厚さが3センチ以上あるズッシリとした本でした。「すぐ読むから」と約束した手前、家に持って帰って2日で読みました。というよりも引き込まれるように読んでしまいました。この本はもともと、小学校高学年以上向けに書かれた冒険ファンタジーなのですが、私自身がそれこそ子どもの頃に戻ったように、ワクワクドキドキしながら読まされたのです。ここに読書の深さ、不思議さがあります。同じような例として、大人が子ども向けの絵本に感動することなど、割と身近に見られることです。
 さて、その読書好きな彼と紹介された本について話をしました。「物語のどの部分に感動したか」という私の質問に対する彼の返答が、実にユニークというか見事だったのです。私は、この場面、あの場面と彼が答えるであろう場面を想像しながら返答を待っていました。しかしながら彼の返答は、「全体を通してです。こことかあそことか言ったら何か嘘のような、場面を特定したらこの本の本当のところが言えてないような気がして。」という小学生とは思えないものでした。的を射たというか読書の本質を見抜いているというか、実に驚きでした。私は、彼の返答を聞いてベートーベンの第九交響曲を連想しました。第九は言わずと知れた4つの楽章からなる合唱付きの有名な交響曲ですが、その壮大なイメージからか、第九といえば第四楽章の合唱とこの楽章だけがクローズアップされがちです。しかしながら、第四楽章の合唱を理解するには第一楽章から第三楽章までの演奏を理解することが必要不可欠です。あくまでも全体を通しての1つの作品なのです。すなわち、彼の返答は本の世界だけでなく、他の芸術分野にも適用される高次元のものだったのです。もちろん、彼はそんなことを意識して答えたのではないでしょう。彼の読書によって磨かれた感性が言わしめたのです。読書はこんな素晴らしい力を持っています。
 さて皆さん方、あらためて読書の秋です。「子どもは環境で育つ」と言われます。我々大人が本に親しむ姿を子どもに見せたいものです。

                                                             校長 山藤 俊治

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学校だより10月号 [PDFファイル:375KB]

 

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