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中国、個人所得税基礎控除額を引き上げ

 

中国では、 2011 9 1 日から、新しい個人所得税法の運用が始まりました 1 。新法では、個人所得税の基礎控除月額が従来の 2000 元(約 24,000 円)から 3500 元(約 42,000 円)に引き上げられました。

3500 元は所得から 年金保険、医療保険、失業保険、住宅公共積立金などを控除してからの金額で、実際の場合、給与などの所得が 4000 2 (約 48,000 円)前後の人は個人所得税を納めなくていいです。これに よって、全国で約 6 千万人の人が新しく個人所得税の非課税対象になり、給与所得者のうち、個人所得税の課税対象が 2400 万人(約 7.7 %)に減少しました。

個人所得税基礎控除月額の引き上げは、過去 5 年間にも2回、 2006 年と 2008 年にもありました。個人所得税の基礎控除月額も 800 元( 9,600 円)から、 1600 元(約 19,000 円)、 2000 元、 3500 元へと徐々に引き上げられました。これらの引き上げは全国人民代表大会 3 での論議を経て成立しますが、今回はインターネットを通じて、約 1 ヵ月にわたり、国民から広く意見を募集しました。寄せられた 23.7 万件の意見の中、 83 %の人が「個人所得税法修正案(草案)」の 3000 元(約 36,000 円)の基礎控除額に反対しました。これを受けて、全国人民代表大会は再び論議を行い、基礎控除月額を 3500 元に引き上げました。

今回の基礎控除月額引き上げの目的は、一つは国内の物価上昇による国民生活コストの増大への補償で、もう一つは中・低所得者の負担軽減と所得格差の調整です。特に所得格差の調整については、基礎控除月額を引き上げるほか、個人所得税税率を改定する措置も取りました。具体的に、中・低所得者が課税対象となる第 1 級、第 2 級税率のカバー範囲を拡大し、第 1 級税率を 5 %から 3 %に引き下げます。これを通じて、中・低所得者の負担を大幅に軽減します。一方、高所得者に対しては、最高税率で第 7 級税率( 45 %)のカバー範囲を拡大し、税負担を増やします。

急速な経済成長と共に、中国では貧富の差などの問題も出ています。今回の税制改正は、問題解決手段の一つに過ぎませんが、問題解決に向けて積極的な一歩が踏み出されたことには大きな意味があったと思います。これからは、税制改革を含め、政府がより広い範囲で積極的な対策を打ち出して行くことを期待しています。

 

1 元= 12 円の為替レートで計算

 

1  中国の「個人所得税」は日本の「所得税」に当たります。ただし、日本の所得税と異なり、配偶者控除や扶養控除などの控除はありません。

2  中国国家統計局のデータによると、 2010 年中国都市部非私営企業(公的所有制企業、株式制企業、外資企業など)の平均年給は 37,147 元(月給約 3,095 元)で、私営企業の平均年給は 20,759 元(月給約 1,730 元)です。 

3   全国人民代表大会は中国の最高権力機関と立法機関です。